○丸亀市火災調査規程
(平成17年3月22日消防本部訓令第14号) |
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丸亀市火災調査規程
(趣旨)
第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章の規定に基づく火災の調査(以下「調査」という。)について、必要な事項を定めるものとする。
(調査の目的)
第2条 調査は、火災の原因及び火災により受けた損害を明らかにして、火災予防対策及び警防対策に必要な基礎資料を得ることを目的とする。
(調査の限界)
第3条 調査は、法の定める事項に限り行うもので、法に特別の定めがある場合のほか、犯罪の捜査に関与してはならない。
(用語の意義等)
第4条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 火災 人の意図に反して発生し、若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要がある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの又は人の意図に反して発生し、若しくは拡大した爆発現象をいう。
(2) 爆発現象 化学的変化による爆発の一つの形態であり、急速に進行する化学反応によって多量のガス及び熱を発生し、爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象をいう。
(3) 建物 土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物に設けた事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設をいう。
(4) 収容物 原則として柱、壁等の区画の中心線で囲まれた部分に収容されている物をいう。
(5) 森林 木竹が集団して生育している土地及びその土地の上にある立木竹並びにこれらの土地以外で木竹の集団的な生育に供される土地をいい、主として農地又は住宅地若しくはこれに準ずる土地として使用される土地及びこれらの上にある立木竹を除く。
(6) 原野 雑草、かん木類が自然に生育している土地で人が利用しないものをいう。
(7) 牧野 主として家畜の放牧又は家畜の飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地をいい、耕地の目的に供される土地を除く。
(8) 車両 自動車、汽車、電車及び原動機付自転車をいう。
(9) 被けん引車 車両によってけん引される目的で造られた車及び車両によってけん引されているリヤカーその他の軽車両をいう。
(10) 船舶 独行機能を有する帆船、汽船及び端舟並びに独行機能を有しない住居船、倉庫船及びはしけ等をいう。
(11) 航空機 航空法(昭和27年法律第231号)第2条第1項に規定する航空機をいう。
(12) 調査員 調査業務に従事する消防職員をいう。
(13) 関係者 法第2条第4項に規定する者をいう。
(14) 関係のある者 法第2条第4項に規定する関係者、火災の発見者、通報者その他調査について参考となる情報を提供できる者をいう。
(15) 鑑定 火災に係わる物件の形状、構造、材質、成分及び性質並びにこれらに関連する現象について、科学技術的手法により必要な試験及び実験を行い、その結果を基に火災原因の認定のための資料を得ることをいう。
(16) 製品火災 電気用品、燃焼機器及び自動車に係る火災等の事故のうち、不備又は欠陥等の原因による火災
(調査の区分)
第5条 調査は、火災原因調査(以下「原因調査」という。)及び火災損害調査(以下「損害調査」という。)に区分する。
2 原因調査は、次に掲げる事項を究明するために行うものとする。
(1) 出火前の状況
(2) 出火原因
(3) 延焼拡大の状況
(4) 初期消火等の状況
(5) 避難の状況
(6) 消防用設備等の状況
(7) 死傷者の状況
(8) その他必要な事項
3 損害調査は、次に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。
(1) 焼き損害
(2) 消火損害
(3) 爆発損害
(4) 火災による死傷者
(火災の種別)
第5条の2 火災の種別は、次に掲げるとおりとする。
(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災をいう。
(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災をいう。
(3) 車両火災 車両又は被けん引車若しくはこれらの積載物が焼損した火災をいう。
(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災をいう。
(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災をいう。
(6) その他の火災 前各号に掲げる火災以外の火災をいう。
2 1件の火災について、前項各号に掲げる火災の種別が2以上複合する場合は、焼き損害額が最も大きいものの種別を当該火災の種別とする。ただし、その態様により焼き損害額が最も大きいものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。
(調査の責任)
第6条 消防署長は、管轄区域内の調査の責任を有する。
第7条 削除
(体制の確立)
第8条 消防長又は消防署長は、調査に必要な人員及び調査用資機材を整備し調査体制を確立しておかなければならない。
(調査の実施)
第9条 消防署長は、管轄区域内に火災を覚知したときは、直ちに調査に着手しなければならない。
2 消防長又は消防署長は、火災の種別又は規模に応じ、調査員を指名して調査に従事させるものとする。
(調査員の心得)
第10条 調査員は、火災現象、関係法令等調査に必要な知識の習得及び調査技術の向上に努めるとともに、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 調査員は、調査員相互の連絡を図り、調査業務の進行が円滑になるように努めること。
(2) 調査員は、調査に際し関係者の民事的紛争に関与しないように努めるとともに、個人の自由・権利を不当に侵害したり、調査上知り得た秘密をみだりに他に漏らさないこと。
(3) 調査員は、関係のある場所へ立ち入るときは、原則として関係者の立会いを得ること。
(4) 警察機関その他の関係機関と密接な連絡を取り相互に協力して調査を進めること。
(調査を実施する職員への教育)
第10条の2 消防署長は、火災調査を実施させる消防職員に、常に火災調査について必要な知識の習得を図らせ、技術の向上に努めさせなければならない。
2 消防長は、火災調査についての知識の習得及び技術の向上を目的とした研修を開催することができる。
(調査の原則)
第11条 調査に当たっては、事実の確認を主眼とし、先入観念にとらわれることなく科学的な方法による確認と合理的な判断のうえに立ち事実の立証に努めなければならない。
(火災現場の見分)
第12条 先着消防隊の指揮者(代行者も含む。)は、出場途上及び火災現場において、火煙の色、におい、燃焼音等の特徴、火災の経過、関係者の動向その他必要な事項を把握し、そのてん末を出火出動時における見分調査書(様式第1号)に記載しておかなければならない。
2 調査員は、火災現場の実況を見分し、火災原因の判定に必要な資料の収集に努めなければならない。
3 調査員は、火災現場の実況を見分したときは、てん末を実況見分調査書(様式第2号)に記載しなければならない。
4 前項の実況見分調査書には、その内容を明らかにするために必要な図面のほか、写真撮影を行い説明書(様式第3号)にはり付け、必要な説明を加えて添付しなければならない。
(消火活動中の現場保存等)
第13条 火災の消火に従事する者は、火元付近の消火に際しては細心の注意を払い、努めて焼失前の状態を推知できるよう存置することに留意しなければならない。
2 火災の消火に従事する者は、残火鎮滅に際し火元と認められる場所付近の物件を移動し、又は原状を変更する場合は、事後の調査に支障をきたさないように努めなければならない。
3 消防署長は、消火活動が終了したときは所要の措置を講じたうえで現場を保存しなければならない。ただし、調査上その必要がないと認めたときは、この限りでない。
(死者が生じている場合の扱い)
第14条 消防署長は、火災現場において死者を発見した場合は、所轄警察署長に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 前項に規定する場合又は負傷者が発生した場合は、死者の調査書(様式第3号の2)又は負傷者の調査書(様式第3号の3)に必要な事項を記載しなければならない。
(質問)
第15条 調査員は、関係のある者に質問し、火災原因の判定の資料となる事実の把握に努めなければならない。
2 調査員は、前項の質問により知り得た事項で、火災原因の判定に必要と認められる内容については、質問調査書(様式第4号)にその内容を記録しておかなければならない。
3 第1項の質問は、強制的になってはならず、みだりに申述を誘導することなく行わなければならない。
4 第2項の質問調査書作成に当たり、必要な場合には図面等を添付するものとする。
5 通訳人の介助を得て質問を行った場合は、その旨を質問調査書に記載するものとする。
6 放火又は失火の犯罪により警察署に留置され、検察官に送致されるまでに被疑者に質問を行おうとする場合は、警察署長の承諾を得た後に行うものとする。
(照会)
第16条 消防長又は消防署長は、関係機関に対し調査のために必要な事項の通報を求め、又は照会することができる。
(資料の収集及び保管)
第17条 消防長又は消防署長は、調査のために必要があるときは、関係者及び火災の原因である疑いがある製品の製造業者又は輸入業者に対して資料提出命令書(様式第5号)又は報告徴収書(様式第5号の2)を交付し、資料提出等を命ずることができる。この場合において、火災調査資料鑑識処分承諾書(様式第5号の3)により資料を提出した者(以下「資料提出者」という。)の承諾を得ておくものとする。
2 消防長又は消防署長は、前項の規定により資料の提出があった場合当該資料提出者に対し、火災調査資料保管書(様式第6号)を交付しなければならない。また、資料を保管する場合は、火災調査資料保管票(様式第7号)を付し、火災調査資料保管品処理簿(様式第8号)に記録し、調査が完了するまで保管しなければならない。
3 資料提出者が、資料の返還を求めるときは、火災調査資料保管書と引換えに、返還しなければならない。
(鑑定)
第18条 原因調査に必要があるときは、公的機関等に鑑定を依頼することができる。
(火災原因の判定)
第19条 火災原因の判定は、火災の実況見分、質問その他の関係資料等を総合的に検討し、判定するものとし、物的調査及び人的調査による資料により裏付けるものとする。
(損害調査)
第20条 消防長又は消防署長は、損害調査のため必要があるときは、関係者に対して火災損害申告書(様式第9号又は様式第10号)により報告を求めることができる。
2 損害調査は、り災物件を詳細に調査し、損害の把握に努めなければならない。
3 損害額の算定基準は、火災報告取扱要領(昭和43年11月11日消防総発第393号)に基づき算出しなければならない。
(建物の焼損程度)
第20条の2 建物の焼損の程度は、次に掲げるとおりとする。
(1) 全焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の70パーセント以上のもの又はこれ未満であっても残存部分に補修を加えて再使用できないものをいう。
(2) 半焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント以上のもので、全焼に該当しないものをいう。
(3) 部分焼 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の20パーセント未満のもので、ぼやに該当しないものをいう。
(4) ぼや 建物の焼き損害額が火災前の建物の評価額の10パーセント未満であり焼損床面積若しくは焼損表面積が1平方メートル未満のもの、又は収容物のみ焼損したものをいう。
(り災世帯数)
第20条の3 一般世帯又は施設等の世帯については、国勢調査の例に準じてり災世帯数を算定する。
2 共同住宅の共用部分のみり災した場合は、り災世帯数を計上しない。
(世帯のり災程度)
第20条の4 世帯のり災程度の区分は、次に掲げるとおりとする。
(1) 全損 建物(その収容物を含む。以下この条において同じ。)の火災損害額(以下「損害額」という。)がり災前の建物の評価額の70パーセント以上のものをいう。
(2) 半損 建物の損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント以上で、全損に該当しないものをいう。
(3) 小損 建物の損害額がり災前の建物の評価額の20パーセント未満のものをいう。
(即報)
第21条 調査員は、火災の状況についてその概況を火災即報(様式第11号)により消防長に即報しなければならない。
(調査記録)
第22条 調査員は、原則として調査に着手した翌日から起算して60日以内に、調査結果を火災調査報告書(様式第12号)により消防長又は消防署長に報告しなければならない。この場合において、次に掲げる書類を添付するものとする。
(1) 火災原因判定書(様式第13号)
(2) 出火出動時における見分調査書(様式第1号)
(3) 実況見分調査書(様式第2号)
(4) 火災現場写真及び図面
(5) 死者の調査書(様式第3号の2)又は負傷者の調査書(様式第3号の3)
(6) 質問調査書(様式第4号)
(7) 火災損害調査書(様式第16号)
(8) その他火災原因の判定及び損害額の認定の根拠となった資料等
2 出火原因が明らかな火災(製品火災(製品火災が疑われるものを含む。)は除く。)のうち、消防長又は消防署長が軽微であると認めたものの調査については、前項各号の書類を適宜省略し、火災調査書(様式第13号の2)をもって代えることができる。
(少年に対する特例等)
第23条 少年(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条による18歳に満たない者をいう。)が関係する火災の調査を行う場合は、少年の将来等を考慮し、これに当たらなければならない。
2 原則として少年を実況見分の立会人としてはならない。
3 少年に対する質問は、必ず立会人を置いて行わなければならない。ただし、立会人を置くことにより真実の申述を得られないと認める場合は、この限りでない。
4 少年に対して立会人を置いて質問を行った場合は、その旨を質問調査書に記載するものとする。
5 少年が関係する火災の情報を報道機関等から求められた場合は、その少年の氏名を告げ、又はその者を推知させるような方法を用いてはならない。
(り災証明)
第24条 消防長又は消防署長は、管轄区域内における火災のり災者からり災証明交付申請書(様式第17号)の申請があったときは、火災の調査により確認した事実について、り災証明書(様式第18号)を交付することができる。
2 前項のり災証明書の交付は、原則として現場見分が終了し、火災損害申告書を受理した後でなければならない。
3 消防長又は消防署長は、第1項のり災証明書の交付を行うときは、り災証明等交付記録簿(様式第19号)に記入し、交付の状況を明確にしなければならない。
(回答)
第25条 消防長又は消防署長は、官公署から調査結果等についての照会を受け適当と認めるときは、必要事項を回答するものとする。
(その他)
第26条 この規程の施行に関し必要な事項は、消防長が別に定める。
附 則
この訓令は、平成17年3月22日から施行する。
附 則(平成19年3月23日消本訓令第1号)
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この訓令は、平成19年3月23日から施行し、平成19年1月1日から適用する。
附 則(平成19年3月26日消本訓令第4号)
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この訓令は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成21年2月9日消本訓令第1号)
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この訓令は、平成21年2月9日から施行し、改正後の様式第11号は、平成21年1月1日から適用する。
附 則(平成24年11月14日消防本部訓令第2号)
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この訓令は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成26年3月28日消防本部訓令第3号)
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この訓令は、平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成27年9月24日消防本部訓令第1号)
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この訓令は、平成27年10月1日から施行する。
附 則(令和2年6月19日消防本部訓令第2号)
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この訓令は、令和2年7月1日から施行する。
附 則(令和4年2月8日消防本部訓令第1号)
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この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
附 則(令和4年12月21日消防本部訓令第4号)
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この訓令は、令和4年12月21日から施行する。
様式第14号
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様式第15号
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