○国頭村危機管理要綱
(平成22年7月12日訓令第14号)
(趣旨)
第1条 この要綱は、危機的な事態が本村域及びその周辺に発生し、又は発生するおそれがある場合において、村民の生命、身体及び財産を保護するとともに、村民の安全及び安心を確保するため、各分野で想定される危機管理について必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この要綱において「危機的な事態」(以下「危機」という。)とは、突然に発生し、その結果が予想外で、かつ、村民に大きな影響を及ぼすおそれがあり、緊急に組織的な対応が必要とされる事態として、次の各号のいずれかに該当するか、該当することが予測されるものをいう。
(1) 村民の生命、身体又は財産に被害を与える事態
(2) 村民生活に不安又は不信を与える事態
(3) 行政の信頼又は信用を失墜させる事態
2 この要綱において「危機管理」とは、危機への村としての事前対策、発生時の応急対策、事後対策等、危機の予防、発生時における被害等の軽減及び危機の終息に至るまでの対応をいう。
(危機の対象)
第3条 想定される危機の対象は、おおむね別表第1のとおりとする。
2 前項に規定するもののほか、村長又は副村長(以下「村長等」という。)が危機と判断する事態についても、この危機の対象とする。
(危機への対応)
第4条 危機への対応は、人命及び村民等の安全確保を最優先して行う。
2 危機については、所管する課(以下「各課等」という。)が対応するものとし、関係する他の各課等とも連携して対応するものとする。
3 前項の規定にかかわらず、危機の規模、状況等により村民の被害又は社会的な影響が重大と判断される場合は、全庁的に対応するものとする。
4 村は、必要に応じて国、県、警察、自衛隊及び医療機関等の関係機関(以下「関係機関」という。)への協力を求め、連携して対応するものとする。
(村長の責務)
第5条 村長は、危機管理の総括者及び指揮監督者として、迅速かつ的確な対応に努めるものとする。
2 村長は、村民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある危機が発生したときは、その危機の重大性等に応じて危機管理対策本部(以下「対策本部」という。)を設置するものとする。この場合において、対策本部は、村長、副村長、教育長及び各課長等で構成し、危機に迅速かつ機動的に対応するための意思決定機関とする。
3 村長は、前項の危機に関する対策本部を設置した場合、本部長を務める。
(副村長の責務)
第6条 副村長は、各課等の危機管理を総合的かつ横断的に調整する等の実務的な指導及び監督を行うものとする。この場合において、副村長に事故があるときは、総務課長がその職務を代理する。
2 副村長は、危機に関する対策本部の本部長を補佐し、本部長に事故があるときは、その職務を代理する。
(総務課長の責務)
第7条 総務課長は、次条第2項の規定による危機発生の報告を受けたときは、当該情報を直ちに村長等に報告するとともに、村長等からの指示を関係する職員に連絡するものとする。
2 総務課長は、対策本部が設置された場合にあっては、危機に関する情報の広報責任者として、村民への広報及び報道機関等への発表、情報提供等を行うものとする。
(課長の責務)
第8条 各課長、局長、室長及び会計管理者(以下「各課長等」という。)は、その所管する課内における実務的な危機管理の総括者として、所管する業務における危機管理に努め、課内を監督するとともに、関係する他の課との連携を密にしておくものとする。
2 各課長等は、所管する業務における危機が発生したときは、総務課長への電話連絡等により、直ちに村長等へ報告するものとする。
3 各課長等は、所管する業務における危機が発生した場合において、対策本部が設置された場合を除き、課内における危機管理に関する総括とともに、危機に関する情報の広報責任者として、村民への広報及び報道機関等への発表、情報提供等を行うものとする。
4 各課長等は、所管する業務において、想定される具体的な危機、事例等を踏まえ、第10条第1項の規定により整備する対応マニュアル等に基づく所属職員の訓練等により、危機の予防及び被害の最小限化等に向けた危機管理に努めるものとする。
5 各課長等は、職員の連絡網及び関係機関への緊急連絡体制を構築し、危機に対し、関係者を直ちに参集させ、事態に対応できる環境を整備しておくものとする。
(職員の責務)
第9条 職員は、所管する業務における危機管理として、想定される具体的な危機への意識を高め、人為的な危機の発生防止に努めるとともに、危機管理に取り組むものとする。
(事前対策)
第10条 各課等は、発生する可能性のある危機を想定し、危機の予防及び発生時における村民の被害等の軽減、さらには迅速かつ的確な情報発信を行うための対応マニュアル等(以下「対応マニュアル等」という。)を整備するものとする。
2 各課等は、所属職員に対し、危機に対する意識啓発を行うとともに、組織的な対応に向けた研修、訓練等を実施するものとする。
(発生時の応急対策)
第11条 各課等は、発生した危機に対し、対応マニュアル等に基づき、迅速かつ的確な初動対応に努めるものとする。
2 前項の場合において、各課等は、被害状況の把握、情報収集、現状分析等を行うとともに、被害の拡大防止及び危機の終息に向けた取組に努めるものとする。この場合において、関係機関と連携及び協力をし、効果的な対応に努めるものとする。
3 各課等は、前項の規定による取組に併せ、危機の要旨等について、危機情報連絡表(様式第1号)により村長等へ書面で報告するとともに、村長等から指示があったときは、直ちに対応するものとする。
4 第8条第2項及び前項の規定による村長等への報告の対象は、原則として別表第2のレベル2以上とし、レベル1については、各課長等の判断により事後報告するものとする。
(応急体制の整備)
第12条 各課長等は、危機が発生したとき、所属職員を動員し、迅速かつ機動的に対応できる応急体制を整備するものとする。
2 職員は、危機の発生により各課長等から招集、指示等があった場合は、直ちに参集し、現場対応等に努めるものとする。
3 職員は、発生した危機に対し、所管する業務に基づく責任及び役割を果たし、各課長等からの指示に基づき対応するとともに、他の課等、関係機関と連携し、被害の拡大防止、危機の終息に向けた対応に努めるものとする。この場合において、現場での対応に当たっては、二次被害等を想定し、十分な安全対策を講じて行うものとする。
(情報の管理及び公表)
第13条 各課等は、発生した危機に関する発生状況、被害の程度、今後の見通し、応急対策の状況等を関係する職員にも報告し、危機に関する情報を共有するものとする。
2 前項の場合において、各課等は、総務課と連携して、村民の安全及び安心の確保、被害の拡大防止並びに社会的な混乱の回避のため、広報手段を通じ、地域への呼び掛け、村民への迅速かつ的確な情報提供を行うものとする。
(事後対策)
第14条 村は、発生した危機が終息したと判断したときは、村民生活の正常化に向けた復旧対策等を実施し、通常の体制に移行するものとする。
2 村は、発生した危機への反省、教訓等を踏まえ、再発防止策の検討、対応マニュアル等の見直しにより、事前対策への還元を図り、危機管理の充実に努めるものとする。
(国頭村地域防災計画、国頭村国民保護計画)
第15条 第4条から前条までの規定にかかわらず、別表第1に掲げる危機のうち、国頭村地域防災計画及び国頭村国民保護計画の対象となる事態については、当該計画に基づき対応する。
(補則)
第16条 この要綱に定めるもののほか、危機管理に関し必要な事項は、村長が別に定める。
附 則
この訓令は、公布の日から施行する。
別表第1(第3条関係)
 危機の対象
 1国頭村地域防災計画の対象となる事態一般風水害、大規模地震及びその他の大災害
 2国頭村国民保護計画の対象となる事態武力攻撃、大規模なテロ行為
 上記以外の事態
 1事故、事件被害大規模な事故、火災、爆発、凶悪な犯罪 など
 2社会生活被害児童、高齢者、障害者等への虐待、生活弱者への危害 など
 3環境への被害公害、有害物質の漏えい、産業廃棄物の不法投棄 など
 4公共土木施設の被害道路、河川、橋梁の突発事故、土砂くずれ、河川の決壊 など
 5学校に関わる事件、事故学校施設等における事件、事故、園児・児童・生徒に関わる事件、事故 など
 6庁舎、公の施設等の事件、事故 庁舎及び公の施設で利用者等が被害を受ける事件、事故 など
 7村内で開催されるイベント等での事件、事故村内で開催されるイベント等で、参加者等が被害を受ける事件、事故 など
 8職員の不祥事公金横領、収賄、交通事故等、職員が起こした事件、事故、職員による信用失墜や守秘義務に抵触する行為 など
 9情報の漏えい個人情報の漏えい、流出、改ざん、紛失 など
10コンピユータートラブルコンピユーターシステムの障害、停止、不正利用 など
11医療事故、薬品事故、感染症医療事故、食中毒、感染症、飲料水等の原因により生じる事故 など
12公的な施設の機能停止設備故障等による施設機能の停止
13行政の瑕疵行政手続上等の不当な処分、訴訟、課税等の瑕疵
14行政機能を脅かす事態村への脅迫、職員への危害、行政への圧力行為、談合の発覚 など
※上記内容は、代表的な危機の例示であり、関係する危機を広く想定するものとする。
※危機の事態は、様々な連鎖や変化により二次・三次被害が発生するため、一つの事態が他の事態に発展することを想定しておくものとする。
別表第2(第11条関係)
レベル0 村長等への報告を要しないケース
平常時村民の生命、身体又は財産に影響がない事態
村長等、職員へのクレーム、村政への要望等村の信用に影響しない事態
所管課で対応可能な事態
軽微な事件、事故で村民の生活に影響しない事態
その他、各課長等の判断で解決可能な事態
レベル1 村長等へ報告は要しないが、事故報告することが望ましいケース
要注意村民の生命、身体又は財産に影響はあるが、速やかに解決が可能な事態
村の信用に影響すると思われる事態
所管課で対応可能な事態
事件、事故で村民の生活に影響すると思われる事態
その他、各課長等の判断で解決可能な事態
レベル2 村長等への報告を行い、緊急に対応すべきケース
緊急時村民の生命、身体又は財産に影響するが、対応可能な事態
村の信用を損なう恐れのある事態
所管課では対応できない事態
事件、事故で村民の生活に影響する事態
その他、各課長等の判断だけでは解決できない事態
レベル3 村長等への報告を行い、大至急対応すべきケース
大至急村民の生命、身体又は財産に大きな被害を与える恐れのある事態
村の信用を失う恐れのある事態
村が組織的に対応すべき事態
事件、事故で村民の生活に大きな影響を与える恐れのある事態
その他、村長等が全庁的に対応すべきと判断する事態
※それぞれの事態は、その経過とともに拡大・縮小する。その変化に応じてレベルを判断し、拡大時には迅速に対応する。
※個別のケースに対する判断は各課長等に委ねていることから、日頃から所管する業務における危機管理意識を持ち、日常的な発生防止、対応策等を備えておく。
様式第1号(第11条関係)