○和寒町農業・農村振興条例
(平成15年3月14日条例第1号)
(基本的理念)
和寒町の農業は開拓精神に燃えて入地した先人の弛みない努力の積み重ねを礎に、恵まれた自然と豊かな大地で今日の生産性の高い専業的な農業経営が展開されている。
いうまでもなく農業は、人々の命の糧である食糧を安定的に供給する重要な役割を担うとともに、国土の保全や良好な景観を形成するなど、多面的な機能を有している。加えて地域経済を支え、和寒町発展の原動力として営々と引き継がれてきたところであり、和寒町二世紀においても、その果たす役割は変わることがない意義を有するものと確信する。
しかしながら、国際化の進展や国内の農業情勢が大きく変化する中で、農産物の輸入増加や食糧消費構造の変化をはじめ、WTO体制の下における新農業基本法の制定、人口、地球的環境問題への関心の高まりなど、農業・農村をとりまく状況は大きく変化している。
このような状況の中で、農業を魅力ある産業として活力ある農村を築きあげるためには、農業が和寒町の基幹産業であることを改めて認識し、農業者自らの創意工夫による自助努力と、意欲ある担い手の育成や農地を適切に保全しつつ、環境と調和した安全安心でかつ良質な食糧の供給に努めていかなければならない。また、和寒町の二世紀の更なる発展を図るためにも、新しい時代を切り拓き、次代を担う子どもたちと全町民が一体となって努めることが必要である。このような考え方にたって、和寒町の農業・農村を貴重な財産・文化として育み、将来に引き継いでいくものとする。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、和寒町の地域的な自然条件と歴史的、社会的特性を最大限に活かし、安全で良質な農畜産物の安定供給という重要な役割を果たしつつ、収益性の高い農業を安定的かつ継続的に発展させ、活力ある豊かで住み良い農村を創造することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)
生産者 町内に居住し、自ら農業を営み農業生産を行う者、又は個人の生産者が共同で行う生産組織、若しくは機械施設の共同利用を目的とする組織、並びに農地法(昭和27年法律第229号)第2条に定める法人をいう。
(2)
農業者団体 農業協同組合、農業共済組合、森林組合、土地改良区及び町長が認める農業関係団体をいう。
(3)
生産者等 生産者及び農業者団体をいう。
(4)
農畜産物等 農畜産物及び林産物をいう。
第2章 基本方針及び施策
(基本方針及び施策)
第3条
町長は、第1条の目的達成のため、次の各号に掲げる基本方針を定め、農業・農村の振興に関する施策を推進するものとする。
[
第1条
]
(1)
農畜産物等の生産性の向上
(2)
農業経営の健全化
(3)
農業担い手の育成・確保
(4)
多面的機能の増進
(5)
活力ある農村の構築
(農業・農村振興計画)
第4条
町長は、前条の基本方針に基づく施策を、総合的にかつ計画的に推進するため、和寒町農業・農村振興計画(以下「振興計画」という。)を策定するものとする。
2
町長は、振興計画を策定するにあたっては、和寒町農業振興対策協議会の意見を聴かなければならない。
第3章 農業・農村振興に関する責務
(町の責務)
第5条
町は、振興計画の円滑な推進に努めるものとする。
2
町は、基本方針に基づく振興計画の円滑な推進のために、国及び道等の制度事業の積極的な導入を図るとともに、必要と認める事業に対し予算の定めるところにより資金の貸付け、利子補給及び補助金の交付をすることができる。
(生産者の責務)
第6条
生産者は、この条例の趣旨を解し農畜産物等の生産拡大に努めるとともに、町が実施する農業の総合的かつ計画的な農業・農村の振興に関する施策の推進に努力するものとする。
(農業者団体の責務)
第7条
農業者団体は、町が定めた振興計画の施策の推進に基づき、農畜産物等の生産拡大及び流通・販路拡大並びに優良農地の確保・保全等に積極的に取り組むものとする。
(農業・農村への理解)
第8条
町及び生産者等は、農業・農村の持つ大切な役割を全町民の理解を深めるため、学習及び交流機会等の拡充に努めるものとする。
第4章 和寒町農業振興対策協議会
(設置)
第9条
和寒町における農業・農村振興の円滑な推進を図るため、和寒町農業振興対策協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(事業)
第10条
協議会は次の各号に掲げる事業について協議する。
(1)
農家経済再建に関すること。
(2)
米麦改良に関すること。
(3)
農業労働力調整に関すること。
(4)
地域水田農業推進に関すること。
(5)
中山間地域等直接支払制度に関すること。
(6)
農林業経営構造対策に関すること。
(7)
クリーン農業推進に関すること。
(8)
その他農業・農村振興に関すること。
(協議会の構成)
第11条
協議会の委員定数は若干名とし、次の各号に掲げるもののうちから町長が委嘱する。
(1)
町長
(2)
農業者団体の役員
(3)
町議会議員
(4)
生産者の代表者
(5)
学識経験者
(6)
農業関係機関・団体の代表者
2
委員の任期は2年とし、再任を妨げない。
ただし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。
(役員)
第12条
協議会の会長は町長とし、ほかに副会長2名を置くことができる。
2
副会長は会長を補佐し、会長に事故あるときはその職務を代理する。
(会議)
第13条
協議会は、目的達成のため必要に応じて会長が招集する。
2
協議会は委員の過半数の出席がなければ開催することができない。
(専門委員会)
第14条
協議会は、必要に応じて専門委員会を設置することができる。
2
専門委員会の委員は、会長がこれを委嘱する。
3
専門委員会は、会長が付託する議件について協議し、その結果を会長に報告するものとする。
(機関)
第15条
協議会は、事業遂行のため、和寒町営農推進会議を設置することができる。
(報酬及び費用弁償)
第16条
委員の報酬及び費用弁償は、特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和42年条例第23号)の規定により支給する。
ただし、常勤の農業者団体の役員及び農業関係機関から報酬等が支給される者は除く。
[
特別職の職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和42年条例第23号)
]
(委任)
第17条
この条例に定めるもののほか必要な事項は、町長が別に定める。
附 則
1
この条例は、平成15年4月1日から施行する。
2
和寒町農業労働力調整協議会設置条例(昭和39年条例第21号)及び和寒町農家経済再建委員会条例(昭和31年条例第8号)は廃止する。