○うきは市男女共同参画推進条例
(平成18年6月30日条例第45号)
目次
第1章 総則(第1条-第10条)
第2章 基本的施策(第11条-第18条)
第3章 諮問機関の設置(第19条)
第4章 雑則(第20条)
附則
日本国憲法では、国民は基本的人権を保障され法の下に平等であるとされています。
国においては、男女共同参画社会基本法が平成11年6月23日制定されました。
うきは市では、平成17年3月20日うきは市あらゆる差別の撤廃と人権擁護に関する条例が制定され、あらゆる差別のないまちづくりのため取り組みを行っています。
しかし、性別による固定的な役割分担意識や、それに基づく社会制度や慣行は、今なお根強く残っています。これらを解消し、真の男女平等を実現するためには、なお一層の努力が不可欠です。
さらに、今日の社会経済情勢の急速な変化に的確に対応し、豊かで活力ある未来を築くためにも、すべての人が性にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができ、喜びと責任を分かち合う男女共同参画社会の実現が強く求められています。そのためには、職場、学校、地域、家庭など社会のあらゆる場において、行政、市民、事業所等が協働して、男女共同参画を推進しなければなりません。
ここに私たちは、すべての人が自らの意思で多様な生き方を選択し、自分らしく生きる喜びを実感することができる男女共同参画社会を実現することを決意し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、うきは市(以下「市」という。)における男女共同参画社会を推進するための基本理念を定め、行政、市民及び事業者等の責務を明らかにするとともに、施策の基本的な事項を定めることにより性別にかかわりなく、すべての人の人権が保障され男女が共にあらゆる分野における活動に参画し、豊かで活力ある社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例においての用語の意義は、次の各号に定めるところによる。
(1)
男女共同参画社会 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的な利益を受けることができ、かつ、共に責任を担うべき社会のことをいう。
(2)
固定的性別役割分担意識 「男性は仕事が中心、女性は家事、育児、介護が中心」というように性別によって役割を決めようとする意識のことをいう。
(3)
積極的改善措置 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するための必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
(4)
市民 市内に居住する者、通勤する者、通学する者及び市内を活動の拠点としている者をいう。
(5)
事業者等 市内において、公的機関、民間を問わず、かつ、営利、非営利を問わず事業や活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(6)
審議会等 市の政策や方針について審議する機関で、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4に規定する附属機関及びこれに準ずる機関のことをいう。
(基本理念)
第3条
男女共同参画社会の形成は、次の各号に掲げる理念に基づいて推進されなければならない。
(1)
男女の個人としての尊厳が重んじられ、男女が直接的又は間接的であるかを問わず、性による差別的な取扱いを受けることなく、共に個性と能力を発揮する機会が保障され、個人として尊重されなければならない。
(2)
男女は、社会で活動するにあたって、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の自由な選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となっている場合、その要因が取り除かれるよう配慮されなければならない。
(3)
男女は、社会の対等な構成員として、市の政策又は家庭、職場、学校、地域その他のあらゆる分野における方針の立案及び決定の場に参画する機会が、平等に確保されなければならない。
(4)
家族を構成する男女が、お互いの協力と社会の支援の下に、家庭生活における子の養育、家族の介護等、その他の家庭生活において家族の対等な一員としての役割を円滑に果たし、かつ、就労をはじめとする社会活動に平等に参画できるよう配慮されなければならない。
(5)
男女平等の意識の形成について、教育は重要な役割を果たすため、あらゆる教育の場において、人権尊重を基本とした男女共同参画を推進するための教育が行われなければならない。
(6)
男女共同参画の推進に向けた取り組みは、国際社会における取り組みと密接な関係にあることから、平和を基盤とした国際的協調の下に行われなければならない。
(市の責務)
第4条
市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、男女共同参画に関する施策(積極的改善措置を含む。以下「男女共同参画推進施策」という。)を総合的かつ計画的に進めなければならない。
2
市は、男女共同参画推進施策の推進について、国及び他の地方公共団体と連携を図るとともに市民及び事業者等の理解が深まるように、必要な啓発や学習機会の充実等を積極的に行わなければならない。
3
市は、その実施する男女共同参画推進施策以外の施策の策定や実施にあたって、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。
(市民の責務)
第5条
市民は、基本理念について理解を深め、男女共同参画社会の推進に協力するように努めなければならない。
2
市民は、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、固定的性別役割分担意識その他男女平等を妨げている要因を取り除き、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。
(事業者等の責務)
第6条
事業者等は、その事業や活動を行うにあたって、基本理念に基づいて、男女共同参画社会の推進に積極的に取り組むとともに、市が実施する男女共同参画推進施策に協力するよう努めなければならない。
2
事業者等は、その事業や活動を行うにおいて男女が共に均等な機会及び待遇を確保するとともに、育児、介護、その他の家庭における役割を平等に果たしながら事業や活動を営むことができるよう就労条件や環境等の整備に努めなければならない。
(教育に携わる者の責務)
第7条
学校教育その他のあらゆる教育に携わる者は、基本理念に基づいて、教育を行うにあたって男女共同参画の推進に努めなければならない。
(補助金交付団体の責務)
第8条
市から運営又は活動に対する補助金を受けている団体は、市の求めに応じて、男女共同参画の推進状況を報告するように努めなければならない。
(性別による差別の禁止等)
第9条
何人も、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、性を理由とした差別的な取扱いをしてはならない。
2
何人も、他の者の意思に反し、性的な嫌がらせにより不快感や不利益を与え、又はその生活環境を害することをしてはならない。
3
何人も、配偶者(婚姻届をしていないが婚姻関係と同様の事情にあるものを含む。)その他の親密な関係にある者に対して身体的、精神的、経済的又は性的な苦痛を与える暴力行為をしてはならない。
(情報の制限)
第10条
何人も、公衆に表示する情報において、固定的性別役割分担意識を助長する表現、性による人権侵害に結びつく表現、又は過度に性的な表現を行ってはならない。
第2章 基本的施策
(基本計画の策定)
第11条
市長は、男女共同参画推進施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)第14条第3項の規定に基づいて、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。
2
基本計画は、次の各号について定めるものとする。
(1)
総合的かつ長期的に講ずべき施策の大綱
(2)
前号に掲げるもののほか、施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
(3)
市長は、基本計画を策定したとき、速やかにこれを公表しなければならない。
(4)
前号の規定は、基本計画の変更についても準用する。
(啓発活動等)
第12条
市は、男女共同参画に関する市民の関心及び理解を深めるため、情報の提供及び啓発活動を行わなければならない。
(調査研究等)
第13条
市は、男女共同参画推進施策の総合的かつ計画的に実施するにあたり、情報の収集及び分析その他の調査研究を行わなければならない。
(教育の場における支援)
第14条
市は、基本理念に基づいて、就学前教育、学校教育、社会教育、家庭教育等、あらゆる教育の分野において、男女共同参画を促進するため教育の充実を図らなければならない。
2
市は、前項に掲げる男女共同参画を促進する教育の実現を図るため、教育にかかわる者に対し、男女共同参画の促進に関する研修を実施しなければならない。
(家庭、地域における支援)
第15条
市は、男女が家庭、地域において固定的性別役割分担意識にとらわれない対等な関係を築き、それぞれの場に平等に参画できるよう、必要な啓発と支援を行わなければならない。
(事業者等に対する支援)
第16条
市は、事業者等に対し、男女共同参画に関するさまざまな情報の提供を行うとともに、その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。
(農業者への支援)
第17条
市は、本市の基幹産業の一つである農業における男女共同参画を推進するために男性と共に主要な役割を担う女性が、家庭及び社会の対等な構成員として適正な評価を受け、経営への参画及び能力の開発がされ、家庭生活との両立ができるよう、情報の提供、助言その他必要な支援を行うよう努めなければならない。
(相談窓口の設置)
第18条
市は、性別による差別的取扱いその他の男女共同参画社会の推進を阻害する問題の解決を図るため、相談窓口を置かなければならない。
2
市は、前項の相談を受けた場合、他の関係機関等と連携し、必要な支援を積極的に行わなければならない。
第3章 諮問機関の設置
(設置)
第19条
市は、市長の諮問に応じ、推進計画の策定及び変更等の重要事項について調査審議し、又は男女共同参画推進施策の実施状況について意見を聴くため、うきは市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2
前項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 雑則
(委任)
第20条
この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。