○うきは市政治倫理条例
(平成17年3月20日条例第7号)
改正
平成18年4月1日条例第15号
平成19年4月1日条例第5号
平成26年4月16日条例第21号
令和6年3月21日条例第7号
(目的)
第1条
この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者である市長、副市長、教育長(以下「市長等」という。)、市議会議員(以下「議員」という。)が市民全体の奉仕者として、人格と倫理の向上に努め、いやしくもその地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼に応えるとともに、市民が市政に対する正しい認識と自覚を持ち、もって公正で開かれた民主的な市政発展に寄与することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条
市長等及び議員は、市民の信頼に値する倫理性を自覚し、市民に対し、自らすすんでその高潔性を明らかにしなければならない。
2
市長等及び議員は、市民全体の代表者として、市政に関わる権利と責務を遂行するため、政治不信を招く公私混同を断ち、地方自治の本旨に基づいて、その使命の達成に努めなければならない。
(政治倫理基準)
第3条
市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1)
市民全体の代表者として品位と名誉を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2)
市民全体の奉仕者として常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品をも授受しないこと。
(3)
市(市が設立した公社、市が資本金、基本金その他これらに準ずるものを出資し、又は拠出している株式会社等を含む。第9条第1項第4号、第14条第1項において同じ。)が行う工事等の請負契約、下請工事、業務委託契約及び一般物品納入契約に関して、特定業者を推薦、紹介する等有利な取り計らいをしないこと。
(4)
職員等の公正な職務執行を妨げ、その権限又はその地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
2
議員は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1)
職員等の採用に関して推薦又は紹介をすること。
(2)
職員の昇格及び異動に関して推薦又は紹介をすること。
3
市長等及び議員は、政治倫理に反する事実があるとの疑惑を持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。
(資産等報告書の提出義務)
第4条
市長は、毎年1月1日現在の次項に定める資産等報告書を毎年5月15日から同月31日までに、提出しなければならない。
2
資産等報告書には、次に掲げる事項を記入しなければならない。
(1)
資産
ア
土地(信託している土地(自己が帰属権利者であるものに限る。)を含む。)
所在、面積及び固定資産税の課税標準額並びに相続(被相続人からの遺贈を含む。以下同じ。)により取得した場合は、その旨
イ
建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権 当該権利の目的となっている土地の所在及び面積並びに相続により取得した場合は、その旨
ウ
建物 所在、床面積及び固定資産税の課税標準額並びに相続により取得した場合は、その旨
エ
預金(当座預金及び普通預金を除く。)、貯金(普通貯金を除く。)及び郵便貯金(通常郵便貯金を除く。) 預金、貯金及び郵便貯金の額
オ
金銭信託 金銭信託の元本の額
カ
有価証券(証券取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項及び第2項に規定する有価証券に限る。) 種類及び種類ごとの額面金額の総額(株券にあっては、株式の銘柄、株数及び額面金額の総額)
キ
自動車、船舶、航空機及び美術工芸品(取得価額が100万円を超えるものに限る。) 種類及び数量
ク
ゴルフ場の利用に関する権利(譲渡することができるものに限る。) ゴルフ場の名称
ケ
貸付金(生計を一にする親族に対するものを除く。) 貸付金の額
コ
借入金(生計を一にする親族からのものを除く。) 借入金の額
(2)
地位及び肩書
ア
企業その他の団体における役職名及び報酬(顧問料等その名目を問わない。)の有無及び金額(ただし、宗教的、社交的及び政治的団体を除く。)
イ
公職を退いた後の雇用に関する契約その他の取決めについての相手方及び条件
3
資産等報告書には、規則の定めるところにより、必要な証明書類を添付しなければならない。
(収入内訳書等の提出義務)
第5条
市長等及び議員は、前年の確定申告書の写し及び収入内訳書並びに税等の納付状況証明書(以下「収入内訳書等」という。)を毎年5月31日までに、市長等にあっては市長に、議員にあっては市議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
(1)
収入の内訳
ア
給与、報酬、事業収入、配当金、利子、賃貸料、謝礼金、講演料、原稿料、年金その他これらに類する収入の出所及び金額。
ただし、1出所当たり3万円以上のもの
イ
1出所当たり3万円以上の贈与及びもてなし(交通、宿泊、飲食、娯楽等)の出所、内容及び金額又は価額
(2)
税等の納付状況
ア
市県民税、固定資産税、国民健康保険税及び軽自動車税の前年度分の納付の状況
イ
地方公共団体に関する使用料、保育料等の前年度分の納付の状況
2
議長は、第1項の規定により提出された議員の収入内訳書等を提出期限から10日以内に市長に送付しなければならない。
(資産等報告書及び収入内訳書等の保存及び閲覧)
第6条
第4条の規定により提出された資産等報告書及び前条の規定により提出された収入内訳書等は、市長において、5年を経過する日まで保存しなければならない。
[
第4条
]
2
市民は、市長に対し、前項の規定により保存されている書類の閲覧を請求することができる。
ただし、第4条第3項の証明書類は、閲覧の対象としない。
[
第4条第3項
]
(政治倫理審査会の設置)
第7条
資産等報告書及び収入内訳書等の審査その他の処理を行うため、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第138条の4第3項に基づき、うきは市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を必要に応じて設置する。
2
審査会の委員は、資産等報告書等の審査に関して専門的知識を有する者2人及び法第18条に定める選挙権を有する者(以下「選挙権を有する者」という。)のうちから3人を市長が公正を期して委嘱する。
3
審査会の委員の任期は、当該事件の審査が終了したときに任期満了となる。
4
審査会の会議は、公開するものとする。
ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。
5
審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も同様とする。
(審査会の組織)
第8条
審査会に会長及び副会長それぞれ1人を置き、委員の互選によりこれを定める。
2
会長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3
副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(審査会の職務)
第9条
審査会は、次に掲げる職務を行う。
(1)
第11条第3項及び第17条第1項に規定する必要な調査、回答及び勧告をすること。
[
第11条第3項
] [
第17条第1項
]
(2)
説明会に際し、市長の諮問を受けて意見書を提出すること。
(3)
前2号に掲げるもののほか、この条例による政治倫理の確立を図るため、市長の諮問を受けた事項につき調査、答申、勧告をし、又は建議をすること。
2
審査会は、前項の職務を行うため、関係人から事情聴取及び資料提供等必要な調査を行うことができる。
(審査会の会議)
第10条
審査会の会議は、会長が招集し、その議長となる。
2
審査会の会議は、委員の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3
審査会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(市民の調査請求権)
第11条
市民は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、選挙権を有する者の100分の1以上の連署をもって、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に調査を請求することができる。
(1)
資産等報告書に疑義があるとき。
(2)
収入内訳書等に疑義があるとき。
(3)
政治倫理基準に反する疑いがあるとき。
(4)
市工事等に関する遵守事項に違背する疑いがあるとき。
2
前項の規定により調査の請求がなされたときは、議長は議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを市長に送付し、市長は市長等又は議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを審査会に提出し、調査を求めなければならない。
3
審査会は、前項の規定により市長から調査を求められたときは、その調査を求められた日の翌日から起算して90日以内に、その調査結果を市長に文書で回答しなければならない。
4
議員に係る回答については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
5
市長及び議長は、第3項の規定による回答があった日から7日以内に、その写しを請求者に送付しなければならない。
(刑法事犯容疑による逮捕後の説明会)
第12条
市長等又は議員が刑法事犯による逮捕後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。
この場合、市長等又は議員は説明会に出席し、釈明するものとする。
(刑法事犯容疑による起訴後の説明会)
第13条
市長等又は議員が刑法事犯による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に、市民に対する説明会の開催を求めることができる。
この場合、当該市長等又は議員は説明会に出席し、釈明しなければならない。
2
市民は、前条又は前項の規定による説明会が開催されないときは、選挙権を有する者500分の1以上の連署をもって、当該市長等又は議員に説明会の開催を請求することができる。
3
前項の開催請求は、逮捕後の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がなされるまでの間に、起訴後の説明会にあっては起訴された日から50日以内に、市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長を通じて行うものとする。
4
市民は、説明会において当該市長等又は議員に質問することができる。
5
市長は、説明会の開催に関して審査会にあらかじめ諮問し、意見書の提出を求めなければならない。
6
議員に係る意見書については、市長は、その写しを議長に送付しなければならない。
(刑法事犯による第1審有罪判決後の説明会)
第14条
前条の規定は、市長等又は議員が前条の罪による第1審有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする場合に準用する。
ただし、開催請求の期間は、判決の日から30日を経過した日以後20日以内とする。
(刑法事犯による有罪確定後の措置)
第15条
市長等又は議員が前条の有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項の規定により失職する場合を除き、市長等又は議員は、市民全体の代表者としての品位と名誉を守り、市政に対する市民の信頼を回復するため、辞職手続をとるものとする。
2
市長等又は議員が前項の刑の確定以後は、市長又は市議会議員等の選挙及び公職の候補者となることを辞退するものとする。
(請負契約に関する遵守事項)
第16条
市長等及び議員の配偶者、二親等(姻族は除く。)以内の親族並びに市長等及び議員が役員をしている企業、市長等及び議員が実質的に経営に携わる企業は、法第92条の2、第142条、第166条及び第180条の5の規定の趣旨を尊重し、市民の疑惑を生じさせないようにしなければならない。
2
前項に規定する「実質的経営に携わる企業」とは、次に掲げるものをいう。
(1)
市長等及び議員が資本金その他これらに準ずるものの3分の1以上を出資している企業
(2)
市長等及び議員が年額180万円以上の報酬(顧問料その他の名目を問わない。)を受領している企業
(3)
市長等及び議員がその経営方針に関与している企業
3
前2項に該当する市長等及び議員は、市民に疑惑の念を生じさせないため、責任を持って関係者又は関係企業の辞退届を提出しなければならない。
4
前項の辞退届は、市長等及び議員の任期開始の日から30日以内に、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に提出するものとする。
5
議員に係る辞退届については、議長は、その写しを市長に送付しなければならない。
6
市長は、前2項の規定による辞退届の提出状況を広報紙等で速やかに公表しなければならない。
(遵守事項違反に関する措置)
第17条
前条に違反している疑いがある場合又は市民から調査請求があった場合は、市長及び議長は、審査会に調査を依頼しなければならない。
2
前項の規定により審査した結果、審査会において、前条の規定に違反しているとの結果が出た場合は、市長は、当該契約をしてはならない。
この場合において、市長は、その旨を市広報で公表するものとする。
(その他政治倫理基準に反する行為に関する措置)
第18条
前各条に定めるもののほか、この条例に定める政治倫理基準に反する行為をした疑いのある場合は、前条の規定に準じ、市長及び議長は、審査会に調査を依頼しなければならない。
2
審査会において、この条例に違反しているとの結論が出た場合は、市長は、その旨を市広報で公表するものとする。
(委任)
第19条
この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附 則
この条例は、平成17年3月20日から施行する。
附 則(平成18年4月1日条例第15号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(平成19年4月1日条例第5号)
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成26年4月16日条例第21号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和6年3月21日条例第7号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。