○日南町希少野生生物分布情報の管理及び利用要綱
(平成29年8月1日訓令第10号) |
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(目的)
第1条 この要綱は、日南町(以下「町」という。)に生息し、又は生育する希少野生生物(以下「希少種」という)の保全を目的として、希少種の分布情報の適正な管理及び利用に関し必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において「希少種」とは、町内に生息し、又は生育する野生生物の種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)のうち、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
(1) 種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数が著しく少ないもの
(2) 種の個体の数が著しく減少しつつあるもの
(3) 種の個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあるもの
(4) 種の個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあるもの
(5) 鳥取県版レッドデータブック(以下「県RDB」という。)、環境省版レッドデータブック(以下「国RDB」という。)又は環境省版レッドリスト(以下「国RL」)に掲載されている野生生物
(6) 前各号に掲げるもののほか、その種の存続に支障を来す事情があるもの
2 この要綱において「保全」とは、希少種がその希少種の進化をもたらした非生物的及び生物的環境のなかで存続していくことができるようにすることをいう。
3 この要綱において「分布情報」とは、町が収集し、又は提供を受け、管理する希少種の生息地又は生育地の位置、個体数、生育地又は生息地の状況、確認年月日、確認者その他の情報をいう。
4 この要綱において「開発事業等」とは、国、県及び町等の公的機関が行う公共工事、環境影響評価法(平成9年法律第81号)第2条第4項並びに鳥取県環境影響評価条例(平成10年鳥取県条例第24号)第2条第4項第1号及び第2号に規定する対象事業並びに鳥取県自然環境保全条例施行規則(昭和50年鳥取県規則第3号)別表第1で定める開発の行為、その他これらの行為に準ずる行為及び希少種の生息又は生育に影響を与え得る行為とする。
5 この要綱において「管理者」とは、分布情報の収集、登録、編集、適切な管理及び提供並びに希少種を保全するために必要な措置を行う者とし、環境エネルギー課長をもって充てる。
6 この要綱において「管理担当者」とは、管理者の業務を補佐する者とし、環境エネルギー課の職員又は希少種について知見を有する者で町長の任命を受けた職員をもって充てる。
(管理者の業務)
第3条 管理者は、希少種の保全対策を適切かつ確実に実施するため、次に掲げる業務を行うものとする。
(1) 分布情報の収集、登録及び編集を行うこと。
(2) 分布情報の適切な保存及び管理を行うこと。
(3) 第5条の規定による分布情報の分類を行うこと。
[第5条]
(4) 分布情報の提供依頼の内容を審査し、提供の可否の決定及び提供する分布情報の内容及び形式を決定すること。
(5) 情報提供の依頼者に分布情報を提供すること。
(6) 分布情報の提供を受けた者が情報の漏えい等を防止するための必要な措置を講じていることを確認すること。
(7) 希少種の保全に関する啓発を行うこと。
(8) 希少種の保全方法について第9条各号で規定する者と協議すること。
[第9条各号]
(9) 希少種の保全方法について第9条各号で規定する者に助言及び指導をすること。
[第9条各号]
(10) 希少種の分布に係る情報を第9条各号で規定する者と共有すること。
[第9条各号]
(11) 希少種について専門的知識を有する者に助言を求めること。
(12) その他前各号の業務を行うために必要な事項
(分布情報を提供した者の権利)
第4条 分布情報を町に提供した者の当該情報に関する著作権その他の権利は、提供後も同者に帰属するものとする。
(分布情報の分類)
第5条 管理者は、秘匿の重要性に応じて分布情報を次の二つのランクに分類するものとする。
(1) Aランク種情報 分布情報により乱獲及び盗掘が生じるおそれがあり、秘匿する必要性が高い希少種に関する情報
(2) Bランク種情報 Aランク種情報以外の希少種に関する情報
(分布情報の分類ごとの公開内容)
第6条 希少種及び生態系の保全に資する場合に限り、管理者は、町ホームページ等において希少種の生息又は生育状況を公開することができる。
2 前項の規定による管理者が公開できる分布情報のランクごとの内容は次の各号のとおりとする。
(1) Aランク種情報
ア 希少種の種数並びに生息又は生育状況及び保全上の留意点
(2) Bランク種情報
ア 希少種の種数並びに生息又は生育状況及び保全上の留意点
イ 二十万分の一以下の縮尺の地図での希少種の生息又は生育位置
(非公開情報)
第7条 管理者は、第6条第2項第1号に規定するAランク種情報については、生息地又は生育地を特定できるおそれのある情報を公開しないこととする。
(分布情報の利用)
第8条 分布情報は、次の各号に掲げる目的のために利用できるものとする。
(1) 開発事業等の実施における希少種への配慮のための資料とすること。
(2) 希少種の保全のための町の施策及び計画の立案並びに施策の実施のための基礎資料とすること。
(3) 県RDB、国RDB又は国RL改訂のための基礎資料とすること。
(4) 希少種の保全に関する学術調査のための基礎資料とすること。
(5) 希少種の保全に関する活動のための基礎資料とすること。
(6) 自己が所有する、又は管理する土地において、希少種を保全するための基礎資料とすること。
(分布情報の提供依頼ができる者)
第9条 次の各号に掲げる者は、第8条各号に規定する目的で利用するために、必要最小限の範囲のものに限り、分布情報(分布情報提供者が、提供した分布情報を町が外部に提供することに同意したものに限る。)の提供を受けることができるものとする。
[第8条各号]
(1) 開発事業等を実施する者(分布情報を利用することにより、希少種への配慮をより適切に行うことが可能になる者に限る。)
(2) 希少種の保全に向けた町の施策及び計画の立案並びに施策の実施を行う者
(3) 県RDB、国RDB又は国RLの改訂に携わる者であって、改訂作業のために分布情報を利用する必要がある者
(4) 学術調査を行うために分布情報を利用する必要がある者(研究機関等に所属し、所属長の承認を受けた者に限る。)
(5) 希少種の保全活動を行う者(定款又は規約を有し、かつ希少種の保全に関する活動実績がある者で分布情報を利用することにより、希少種の保全をより効果的に行うことが可能になる者に限る。)
(6) 希少種の生息地又は生育地を所有し、又は管理する者(分布情報を利用することにより、希少種への配慮をより適切に行うことが可能になる者に限る。)
(分布情報の提供依頼)
第10条 前条の規定により分布情報の提供を受けようとする者は、希少種の分布情報提供依頼書(様式第1号)に次の各号に掲げる書類を添付して提出しなければならない。
(1) 事業実施想定区域を明らかにした二万五千分の一程度の縮尺の地形図
(2) 情報管理対策及び管理体制を示した書類
(3) 第13条から第17条までの規定を遵守することを誓約する書面(様式第2号)
(4) その他管理者が必要と認める図面及び書類
(分布情報の提供依頼の審査)
第11条 管理者は、前条の規定による依頼があったときは、当該依頼の内容が次の各号に該当しているかを確認するものとする。
(1) 依頼に係る開発事業等が現に存在すること、又はその予定が存在すること
(2) 情報提供依頼区域が、事業の実施に伴い環境影響を受けるおそれがあると判断される範囲内であること
(3) 依頼に係る分布情報の用途が第8条の各号の利用目的に合致すること
[第8条]
(分布情報の提供)
第12条 管理者は、前条の規定による審査を行ったときは、依頼者に対して分布情報の提供の可否を回答するものとする。
2 管理者は、分布情報の提供が可である場合は、提供する分布情報の内容及び形式を決定し、依頼者に対して希少種の分布情報提供書(様式第3号)その他関係資料を依頼者に提供するものとする。
3 管理者は、分布情報の提供が不可である場合は、依頼者に対して希少種の分布情報提供不可回答書(様式第4号)により通知するものとする。
4 管理者は、希少種の保全のために特に必要があると認めるときは、情報提供依頼の有無に関わらず、分布情報(分布情報提供者が、提供した分布情報を町が外部に提供することに同意したものに限る。)を第9条各号で規定する者に提供することができるものとする。
[第9条各号]
(分布情報の提供を受けた者が講じる措置)
第13条 分布情報の提供を受けた者は、提供情報の漏えい等を防止するため、次の各号に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 提供情報の漏えい発生時の緊急連絡体制の整備
(2) その他提供情報の漏えい等の防止に必要な措置
(提供情報の滅失等への対応)
第14条 分布情報の提供を受けた者は、提供情報に係る滅失、漏えいその他の事故が発生した場合は、速やかに管理者へ連絡しなければならない。
(提供情報の目的外利用の禁止)
第15条 分布情報の提供を受けた者は、提供情報を目的以外に利用してはならない。
(提供情報の複製及び第三者への提供の禁止)
第16条 分布情報の提供を受けた者は、提供情報を複製又は第三者に提供してはならない。ただし、複製又は提供することについて、あらかじめ管理者の書面による同意を得た場合は、この限りでない。
2 分布情報の提供を受けた者は、前項の規定により管理者の同意を得て、提供情報を複製し、又は第三者に提供した場合は、当該関係者が第13条から第17条までの規定を遵守するよう必要な措置を講じなければならない。
(利用後の提供情報の扱い)
第17条 分布情報の提供を受けた者は、提供情報を利用する必要がなくなったときは、直ちに次の各号に掲げる措置のいずれかを講じなければならない。ただし、利用後も分布情報を保持することについて、あらかじめ管理者の書面による同意を得た場合は、この限りでない。
(1) 当該情報を破棄すること。
(2) 当該情報を管理者に返却すること。
2 分布情報の提供を受けた者は、前項のいずれかの措置を講じたときは、その旨を管理者に報告しなければならない。
(報告徴収)
第18条 管理者は、分布情報の提供を受けた者に対し、当該情報の管理及び利用の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
(違反者への措置)
第19条 管理者は、分布情報の提供を受けた者がこの要綱の定めに違反した場合には、必要に応じて、その事業に関係する国及び地方公共団体等の機関に対して通知することができる。
附 則
この訓令は、公布日から施行する。
附 則(令和6年4月1日訓令第5号の3)
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この訓令は、令和6年4月1日から施行する。