○日南町環境基本条例
(平成18年12月19日条例第43号)
目次

第1章 総則(第1条-第6条)
第2章 基本的施策(第7条-第9条)
第3章 施策推進のための方策
第1節 町は、町民等が良好な環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習の推進並びに広報活動の充実に努めます。(第10条-第15条)
第4章 環境審議会(第16条)
第5章 補則(第17条)
附則

私たちのまち日南町は、日野川の源流と中国山地に連なる山々のみどりをはじめとした豊かな自然環境の下に、豊かな風土や歴史、文化を育み、自然、人、産業の調和のとれたまちとして着実に発展してきました。
しかしながら、社会経済活動の拡大や生活様式の変化により、廃棄物の増大、生活排水による水質汚濁などの生活に密着した問題が生じてきています。
さらに、今日の環境問題は、地球の温暖化、オゾン層の破壊など地球的規模へと拡大し、私たちの生存基盤である地球環境そのものに影響を及ぼすことが懸念されています。
もとより、私たちは、健康で安全かつ文化的な生活を営む上で必要となる健全で恵み豊かな環境を享受する権利があるとともに、次の世代へ引き継いでいく責務があります。
私たちは、環境の恵みの有限性を自覚し、良好な環境の保全及び創造を図るため、自らがそれぞれの立場で環境に負荷を与えている社会経済活動や生活様式を見直し、かつ、積極的に行動していかなければなりません。
このような認識の下に、現に有する良好な環境の保全及び創造を図り、水と森に恵まれた古くからのまちとして、将来にわたり持続的に発展できるような日南町を実現するため、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、日南町の良好な環境の保全及び創造について、基本理念を定め、町、町民、事業者の責務を明らかにしています。また環境の保全及び創造に関する施策(以下「環境施策」といいます。)の基本的事項を定めることにより、環境施策を総合的かつ計画的に推進することを定めています。これにより、現在と将来の町民が、健康で安全かつ文化的な生活を営むことができるようにすることを目的とします。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、次のとおりとします。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上で支障の原因となるおそれのあるものをいいます。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、町民が健康で安全かつ文化的な生活を営むことができるようにすることをいいます。
(基本理念)
第3条 良好な環境の保全及び創造は、町民が健康で安全かつ文化的な生活を営むことのできる健全で恵み豊かな環境を確保し、これを次の世代へ引き継いでいくことを目的として行われなければなりません。
2 良好な環境の保全及び創造は、環境への負荷が少ない持続的発展の可能な社会を構築することを目的として、町、町民及び事業者がそれぞれの責務を自覚し、公平な役割分担の下に行われなければなりません。
3 地球環境保全は、人類共通の課題ですので、町、町民及び事業者が自らの問題として認識して、それぞれの日常生活や事業活動において積極的に推進していく必要があります。
(町の責務)
第4条 町は、前条に定める環境の保全及び創造に関する基本理念(以下「基本理念」という。) に基づき、自然的社会的条件に応じた環境の保全及び創造に関する総合的な施策を策定し、実施する責務があります。
2 町は、基本理念に基づき、町の施策を実施するに当たっては、環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に努めなければなりません。
3 町は、基本理念に基づき、広域的な取組を必要とする環境施策を実施するときは、国、県及び他の地方公共団体との協力に努めなければなりません。
(町民の責務)
第5条 町民は、基本理念に基づき、日常生活に伴う環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、町が実施する環境施策に協力する責務があります。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念に基づき、事業活動を行うときに、その事業活動が環境に与える影響を認識し、環境への負荷の低減その他環境の保全及び創造に自ら積極的に努めるとともに、必要な措置を講ずる責務があります。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、基本理念に基づき、町が実施する環境施策に協力する責務があります。
第2章 基本的施策
(施策の基本方針)
第7条 町は、基本理念の実現を図るため、次に掲げる事項を基本として、環境施策を実施します。
(1) 人の健康を保護し、生活環境を保全するため、大気、水、土壌等の良好な状態を保持すること。
(2) 野生動植物の生息又は生育に配慮し、健全な生態系の保持を図るとともに、河川、森林、農地等を適正に保全し、人と自然との豊かなふれあいの場を確保すること。
(3) 潤いとゆとりある生活環境を保全及び創造するため、水とみどり を生かした生活基盤の整備、美しい景観の保持、歴史的文化的遺産の保全等を図ること。
(4) 日野川源流における環境について総合的に保全を図り、創造すること。
(5) 環境への負荷の低減を図るため、資源の循環的利用、エネルギーの効率的利用、廃棄物の減量化等を推進すること。
(6) 環境施策を効率的かつ効果的に推進するために、町、町民及び事業者が協働することのできる社会の形成を図るとともにより質の高い環境を創造すること。
(環境基本計画)
第8条 町長は、環境施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、前条の基本方針に基づき、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。) を策定しなければなりません。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項を定めます。
(1) 良好な環境の保全及び創造に関する総合的かつ計画的な目標及び施策の方向
(2) 前号に掲げるもののほか、環境施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 町長は、環境基本計画を策定するに当たり、町民、事業者又はこれらの者の組織する団体(以下「町民等」という。)の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、第16条の日南町環境審議会の意見を聴かなければなりません。
4 町長は、環境基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表します。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用します。
(報告書の作成等)
第9条 町長は、環境基本計画に基づき実施された施策の実施状況等について報告書を作成し、これを公表しなければなりません。
第3章 施策推進のための方策
第1節 町は、町民等が良好な環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習の推進並びに広報活動の充実に努めます。
(総合的調整)
第10条 町は、環境施策を実効的かつ体系的に推進するため、必要に応じ、日南町総合計画等との調整を行います。
(環境教育及び環境学習の推進等)
第11条 町は、町民等が良好な環境の保全及び創造についての理解を深めるとともに、活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習の推進並びに広報活動の充実に努めます。
(町民等の自発的な活動の促進)
第12条 町は、町民等が自発的に行う良好な環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように必要な措置を講ずるよう努めます。
(経済的措置)
第13条 町は、町民等が環境への負荷の低減並びに良好な環境の保全及び創造を図るために必要があるときは、適正な助成その他の措置をとるよう努めます。
2 町は、環境への負荷を低減する目的で町民等に経済的な負担を求めようとするときには、十分な事前調査及び研究を行ったうえで適正で公平な負担を求めるよう努めなければなりません。
(監視、測定及び調査等)
第14条 町は、環境施策を適正に実施するため、環境の監視、測定及び調査の体系の整備に努めるとともに環境に関する情報を体系的に収集及び整備していきます。
2 町は、必要に応じ、環境の監視、測定及び調査の結果並びに環境に関する情報を町民や事業者に提供します。
(勧告及び公表)
第15条 町は、公害等により環境を著しく悪化させた者に対し、必要な勧告を行い、勧告に従わないときにはその内容を公表することができます。
第4章 環境審議会
(環境審議会)
第16条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、町長の諮問機関として、日南町環境審議会(以下「環境審議会」という。) を置きます。
2 環境審議会は、町長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議します。
(1) 環境基本計画の策定及び変更に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する基本的事項及び重要事項
3 環境審議会は、町長が委嘱する委員15人以内で組織します。
4 前項に定めるもののほか、環境審議会の組織及び運営に関し必要な事項は町長が別に定めます。
第5章 補則
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。
附 則
この条例は、公布の日から施行します。