○浪江町議会政治倫理条例
(平成27年3月27日条例第21号)
改正
令和元年12月20日条例第27号
前文
浪江町議会が目指している町民参加を礎とした新たな議会づくりは、議員に対する町民の揺るぎない信頼があって初めて実現できるものである。
そのためには、議員は公職者としての高い倫理観と深い見識により、自ら考える明確な政治倫理基準に基づき、誇りと自信をもって町政を担いつつ、説明責任を果たしていくことが必要である。
ここに、議員と町民との信頼関係を築く基盤として、この条例を制定する。
(目的)
第1条
この条例は、議会を構成する議員が、町民全体の代表者として、また、町民全体の奉仕者として議員活動を行う際に遵守すべき行動基準(以下「政治倫理基準」という。)について定めるとともに、町民が議員活動について説明を求める機会を保障することにより、議員が町民から信頼を得る基盤を作り、もって公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議員の責務)
第2条
議員は、町政にかかわる権能と責務を深く自覚し、第4条に規定する政治倫理基準を遵守して活動しなければならない。
[
第4条
]
2
議員は、自ら研さんを積み、資質を高めるとともに、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、その品位の保持に努めなければならない。
3
議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈しない。
4
議員は、町民からの求めの有無にかかわらず、自ら率先して説明責任を果たさなければならない。
(町民の役割、責務)
第3条
町民は、議員の活動及び政治姿勢に注目し、必要に応じ、議員に説明責任を果たすことを求めるものとする。
2
町民は、主権者として自らも町政を担い、議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。
(政治倫理基準)
第4条
議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1)
町民全体の代表者として、その品位及び名誉を損なうような行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2)
町民全体の代表者として、常に人格と倫理の向上に努め、その地位を利用していかなる金品も授受しないこと。
(3)
政治活動に関して、法人その他の団体から、政治的又は道義的批判を受けるおそれのある寄附を受けないものとし、後援団体についても同様とすること。
(4)
町又は町が資本金、出資金その他これらに準ずるものを出資している法人が行う工事の請負契約、業務の委託契約又は物品の購入契約(以下「請負契約等」という。)に関して特定の業者のために推薦、紹介その他の有利な取り計らいをしないこと。
(5)
原則として町からの補助金の交付を受ける営利団体と目される団体の代表等に就任しないよう努めなければならない。
(6)
町の職員(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第22条の2第1項に規定する会計年度任用職員等を含む。次号において同じ。)の公正な職務の執行を妨げ、その権限及び地位による影響力を不正に行使するよう働きかけないこと。
(7)
町の職員の採用、昇任又は人事異動に関して、不当に関与しないこと。
(8)
その地位を利用して嫌がらせをし、強制し、又は圧力をかける行為をしてはならない。また、いかなる場合であっても、セクシャル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントその他人権侵害のおそれのある行為をしないこと。
(9)
飲食物の供与・寄附行為等社会通念上疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(請負契約等に関する遵守事項)
第5条
議員は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第92条の2の規定の趣旨を尊重し、町との請負契約等に関する契約を辞退するよう努めなければならない。
2
議員は、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第104条の規定の趣旨を尊重しなければならない。
(職務関連犯罪容疑による逮捕後の説明会)
第6条
議員は、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める贈収賄罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条の罪(以下「職務関連犯罪」という。)による逮捕後、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、議長に、町民に対する説明会の開催を求めることができる。
(職務関連犯罪容疑による起訴後の説明会)
第7条
議員は、職務関連犯罪により起訴され、なお引き続きその職にとどまろうとするときは、議長に、町民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該議員は説明会に出席し、釈明しなければならない。
2
町民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、起訴の日から30日以内に当該議員に説明会の開催を請求することができる。
(職務関連犯罪の有罪判決後の説明会)
第8条
議員が職務関連犯罪の罪により有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとするときの説明会の開催等については、前条の規定を準用する。ただし、開催請求の期間は、判決の日から14日を経過した日以後20日以内とする。
(職務関連犯罪の有罪確定後の措置)
第9条
議員は、職務関連犯罪の罪により有罪判決の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法第11条第1項の規定により失職する場合を除き、町民全体の代表者としての品位と名誉を守り、町政に対する町民の信頼を回復するため、辞職手続きをとるものとする。
(審査の請求)
第10条
町民は、議員に第4条に規定する政治倫理基準又は法令若しくは条例(以下「政治倫理基準等」という。)に違反する行為があると認めるときは、当該違反する行為を証する書類を添え、浪江町議会議員の選挙権を有する者50人以上の者の連署とともに、議長に対し審査の請求をすることができる。
[
第4条
]
(政治倫理審査会の設置)
第11条
議会に、浪江町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2
審査会は、前条に規定する審査の請求があった場合において、議長の求めに応じ、当該請求の事案を調査審議し、その結果を報告する。
3
審査会は、前項の調査審議を行うほか、政治倫理に関して議長に意見を述べることができる。
(審査会の組織等)
第12条
審査会は、議長が委嘱する委員5人以内をもって組織する。
2
委員の任期は、審査会が結論を出す日までとする。
3
委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
4
審査会の会議は、公開とする。ただし、委員の3分の2以上の同意があるときは、非公開とすることができる。
(審査会の委員)
第13条
審査会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により定める。
2
委員長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3
副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けたときは、その職務を代理する。
(審査会の会議)
第14条
審査会は、委員長が招集する。
2
審査会は、委員の半数以上の出席がなければ、会議を開くことができない。
3
審査会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
(審査会の調査)
第15条
審査会は、調査審議を行うに当たり、審査の請求の対象とされた議員(以下「被請求議員」という。)又は関係人に対し、事情聴取、資料の請求等の必要な行為を行うことができる。
(被請求議員等の義務)
第16条
被請求議員及び関係人は、審査会から、資料の提供や審査会への出席を求められたときは、これに応じなければならない。
2
被請求議員及び関係人は、審査会において、口頭又は文書により意見を述べることができる。
(結果の報告、公表)
第17条
議長は、第11条第2項の規定による調査結果報告を受けたときは、審査の請求をした者及び被請求議員に対し、その内容を文書で通知するとともに、その概要を公表するものとする。この場合において、次項の弁明書の提出があったときは、当該弁明書と併せて公表するものとする。
[
第11条第2項
]
2
被請求議員は、前項の文書を受け取った日から14日以内に限り、弁明書を議長に提出することができる。
(議員及び議会の措置)
第18条
議会は、審査会の報告を尊重するものとする。
2
議会は、被請求議員が政治倫理基準等に違反したものと認められるときは、町民の信頼を回復するために必要な措置を講ずるものとする。
(委任)
第19条
この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。
附 則
この条例は、平成27年7月1日から施行する。
附 則(令和元年12月20日条例第27号)
この条例は、令和2年4月1日から施行する。