○御杖村不妊治療費助成事業実施要綱
(令和7年4月1日告示第28号) |
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(目的)
第1条 不妊治療のうち、体外受精及び顕微授精(以下「生殖補助医療」という。)並びにこれに併せて行われる先進医療(以下「先進医療」という。)を受ける者に対し、治療費の一部を補助することにより、不妊に悩む夫婦等の経済的負担を軽減し、若い世代がライフプランとして妊娠・出産を視野に入れ、積極的に治療に取り組むことができるよう支援することを目的とする。
(対象者)
第2条 本事業の助成の対象となる者は、以下のいずれにも該当する者とする。
(1) 生殖補助医療を受けた夫婦(事実婚含む。)であって、生殖補助医療以外の治療法によっては妊娠の見込みがない又は極めて少ないと医師に診断された者
(2) 治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であること。
(3) 夫婦の両方が、助成を受けようとする治療期間の初日から申請日まで御杖村に住所を有し、居住していること。
(4) 治療期間の初日において、医療保険各法に基づく被保険者若しくは被扶養者であること。
(5) 申請日の前々月の月末において、夫婦のいずれもが、本村に納付すべき村税を滞納していないこと。
(対象となる治療等)
第3条 補助の対象となる治療は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして、地方厚生局長等に届出を行った保険医療機関において実施する令和4年4月1日以降に保険収載された不妊治療のうち、令和7年4月1日以降に開始した別表1に掲げる生殖補助医療(男性不妊治療を含む。以下同じ。)及び別表2に掲げる先進医療とする。
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に該当する治療等は、補助の対象としない。
(1) 卵胞が発育しない等により卵子採取以前に治療を中止したもの
(2) 夫婦以外の第三者からの精子・卵子・胚の提供によるもの
(3) 借り腹(夫婦の精子と卵子を使用できるが、子宮摘出等により妻が妊娠できない場合に、夫の精子と妻の卵子を体外受精して得た胚を、妻以外の第三者の子宮に注入し、当該第三者が妻の代わりに妊娠・出産するものをいう。)によるもの
(4) 代理母(妻が卵巣と子宮を摘出した場合等、妻の卵子が使用できない、かつ、妻が妊娠できない場合に、夫の精子を妻以外の第三者の子宮に医学的な方法で注入して、当該第三者が妻の代わりに妊娠・出産するものをいう。)によるもの
(5) 保険診療と保険外診療とを組合せて行ういわゆる「混合診療」による生殖補助医療等
(補助対象額の算定方法及び回数)
第4条 補助対象となる費用と基準額は、次の表に定めるとおりとする。
| 1 区分
| 2 対象となる費用
| 3 基準額
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(1)
| 保険診療で実施した治療
| 保険診療により実施した生殖補助医療に要した医療費
| 第2欄に定める費用のうち、健康保険法(大正11年法律第70号)第63条に定める療養の給付について、同法第74条に定める一部負担金から、同法第115条に定める高額療養費を除く、本人が負担する額の2分の1の額(その額に円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)(上限5万円/回)
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(2)
| 保険適用回数の上限を超えて実施した治療
| 生殖補助医療のうち、保険適用の回数の上限を超過したため全額自費診療となった生殖補助医療に要した医療費
| 第2欄に定める費用のうち、本人が負担する額の2分の1の額(その額に円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)(上限15万円/回)
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(3)
| (1)又は(2)に追加して実施した先進医療
| 厚生労働大臣が先進医療として告示した技術等のうち、第1欄の区分(1)又は(2)に追加して実施した生殖補助医療に係るものに要した医療費
| 第2欄に定める費用のうち、本人が負担する額の2分の1の額(その額に円未満の端数があるときは、これを切り捨てた額)(上限5万円/回)
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2 補助対象となる回数は次に掲げるとおりとする。
(1) 保険診療で実施した治療に対する補助の回数は、保険診療における算定回数の上限と同じとし、初めて保険診療で実施した生殖補助医療の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満である場合は、保険診療により実施する胚移植術の回数が6回(40歳以上43歳未満であるときは3回)に至るまでとする。ただし、令和7年3月31日以前に開始した治療において、既に保険診療により胚移植術を実施している場合は、その残りの回数を上限とする。 なお、「治療期間の初日」とは、治療計画を作成した日(治療計画を作成しない場合は、採卵準備のための「薬品投与」の開始等の日)をいい、「1回の治療」とは、治療計画の作成(治療計画を作成しない場合は、採卵準備のための「薬品投与」の開始等)から、医学的に当該生殖補助医療が終了する(「妊娠の確認」等)までの生殖補助医療の実施の一連の過程をいう。また、以前に凍結した胚による胚移植を実施した場合については、以前に行った体外受精又は顕微授精により作られた受精胚による凍結胚移植も1回とみなす。ただし、令和7年3月31日以前に開始した治療において、既に保険診療により胚移植術を実施している場合は、その残りの回数を上限とする。
(2) 前号に定める治療の回数は、1子(妊娠12週以降に死産に至った場合を含む。)当たりの助成回数とし、住民票、戸籍謄本、死産届等により確認するものとする。
(助成の申請)
第5条 助成の申請にあたっては、次に掲げるとおり取り扱うこととする。
(1) 助成を受けようとする者は、各治療終了日の属する年度の翌年度末までに、村長に申請を行う。
(2) 申請しようとするときは生殖補助医療費等助成申請書(様式第1号)に、生殖補助医療費助成事業受診等証明書(様式第2号)、健康保険証の写し、限度額適応認定書の写し及び該当治療の領収書を添付すること。
(交付決定等)
第6条 村長は、前条第1項の規定による申請があったときは、これを審査の上、補助金の交付の可否を決定するものとする。
第7条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、村長が別に定める。
附 則
この告示は、令和7年4月1日から施行する。
別表第1(第3条関係)
治療内容 | 評価項目 | ||
保険収載となった治療のうち、生殖補助医療に係るもの(男性不妊を除く) | 生殖補助医療管理料 | 生殖補助医療管理料1
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生殖補助医療管理料2 | |||
(1)採卵 | 採卵術
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採卵数加算 | イ.1個の場合 | ||
ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
二.10個以上の場合 | |||
抗ミュラー管ホルモン(AMH) | |||
(2)採精 | (男性不妊に記載) | ||
(3)体外受精・顕微授精 | 体外受精・顕微授精管理料
| 体外受精
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顕微授精 | |||
イ.1個の場合 | |||
ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
二.10個以上の場合 | |||
体外受精及び顕微授精同時実施管理料 | イ.1個の場合 | ||
ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
ニ.10個以上の場合 | |||
卵子調整加算 | ※卵子活性化処理を実施した場合 | ||
新鮮精子加算 | |||
(4)受精卵・胚培養 | 受精卵・胚培養管理料
| イ.1個の場合
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ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
二.10個以上の場合 | |||
胚盤胞作成加算 | イ.1個の場合 | ||
ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
二.10個以上の場合 | |||
(5)胚凍結保存 | 胚凍結保存管理料
| 胚凍結保存管理料(導入時) | |
イ.1個の場合 | |||
ロ.2~5個までの場合 | |||
ハ.6~9個までの場合 | |||
二.10個以上の場合 | |||
胚凍結保存維持管理料 | |||
(6)胚移植 | 胚移植術
| 新鮮胚移植の場合
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凍結・融解胚移植の場合 | |||
アシステッドハッチング加算 | |||
高濃度ヒアルロン酸含有培養液加算 | |||
男性不妊 | (7)Y染色体微小欠失検査 | Y染色体微小欠失検査 | |
(8)精巣内精子採取術 | 精巣内精子採取術 | 単純なもの | |
顕微鏡を用いたもの | |||
(9)採取精子調整管理料 | ※精巣内精子採取術により採取された精子を用いる場合 | ||
(10)精液一般検査 | |||
(11)精子凍結保存管理料 | 1 精子凍結保存管理料 | イ.精巣内精子採取術で採取された精子を凍結する場合 | |
ロ.イ以外 | |||
2 精子凍結保存維持管理料 |
別表第2(第3条関係)
別表1の治療内容 | 先進医療(申請)技術名 | 技術の概要 | |
先進医療として告示されている不妊治療関連の技術 | (3) | ヒアルロン酸を用いた生理学的精子選択術(PICSI) | ヒアルロン酸を含有する培地を用いて、成熟精子の選択を行う技術 |
強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術(IMSI) | 強拡大の顕微鏡を用いて、成熟精子の選択を行う技術 | ||
(4) | タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養(タイムラプス) | 培養器に内蔵されたカメラによって、胚培養中の胚を一定間隔で自動撮影し、培養器から取り出すことなく、正確な胚の評価が可能となる技術 | |
(6) | 子宮内膜刺激術(SEET法) | 胚培養液を胚移植数日前に子宮に注入し、受精卵の着床に適した環境を作り出す技術 | |
子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチ) | 胚移植を行う予定の前周期に子宮内膜のスクラッチ(局所内膜損傷を与える)を行い、翌周期に胚移植を行う技術 | ||
子宮内膜受容能検査1(ERA検査) | 子宮内膜を採取し、次世代シークエンサーを用いて遺伝子の発現を解析し、内部組織が着床に適した状態であるのかを評価する検査 | ||
子宮内膜細菌叢検査1(EMMA/ALICE検査) | 子宮内の細菌叢が、正常であるのか、異常であるのか、またその菌の種類の組成を判断する検査 | ||
子宮内細菌叢検査2(子宮内フローラ検査) | 子宮内の細菌叢が、正常であるのか、異常であるのか、またその菌の種類の組成を判断する検査 | ||
子宮内膜受容能検査2(子宮内膜受容期検査(ERPeak検査)) | 子宮内膜を採取し、RT-qPCRを用いて遺伝子の発現を解析し、内膜の組織が着床に適した状態であるのかを評価する検査 | ||
タクロリムス投与療法 | 反復着床不全に対して、免疫抑制剤(タクロリムス)の投与を行う技術 | ||
着床前胚異数性検査(PGT-A) | 胚から一部の細胞を採取して染色体の量の解析を行い、染色体数が正常な胚を選択する技術 | ||
二段階胚移植術(二段階胚移植法) | 先行して初期胚を移植し、後日、継続培養を行った別の胚盤胞を移植する技術 | ||
膜構造を用いた生理学的精子選択術(マイクロ流体技術を用いた精子選別) | 特殊な膜構造を用いて、成熟精子の選択を行う技術 |