○御杖村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例
(平成15年5月16日条例第13号) |
|
(目的)
第1条 この条例は、土砂等による土地の埋立て、盛土及び一時堆積並びに切土行為について必要な規制を行うことにより、生活環境の保全及び災害の防止を図り、もつて村民の健康で安全かつ快適な生活を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 土砂等 土地の埋立て、盛土及び一時堆積の用に供するもので、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物以外のものをいう。
(2) 事業 土砂等による土地の埋立て、盛土及び一時堆積並びに切土行為をいう。
(3) 工事 事業に係る工事をいう。
(4) 事業区域 事業を施工する区域をいう。
(5) 事業主 自らその工事を施工する者又は工事の請負契約の注文者をいう。
(6) 土地所有者等 工事を施工する区域の土地の所有権及び永小作権、使用借権、その他の使用又は収益を目的とする権利を有する者をいう。
(7) 工事施工者 自らその工事を施工する者又は工事の請負契約の請負人をいう。
(適用範囲)
第3条 この条例は、次に掲げる行為について適用する。ただし、別表に掲げる事業は除く。
[別表]
(1) 事業区域の面積が500平方メートル以上の事業
(2) 当該事業区域に隣接する土地において、事業が継続的に施工され、又は施工中の場合であつて、当該事業区域の面積と、既に施工され、又は施工中の事業の事業区域の面積とを合計した面積が500平方メートル以上となる事業
(3) 土砂等の一時たい積にあつては、500立方メートル以上たい積し又は6か月以上の期間にわたりたい積する事業。ただし、製品の製造又は加工のための原材料を一時たい積する場合を除く。
(事業主等の責務)
第4条 事業主は、事業を施工するに当たり、村民に良好な生活環境と安全を確保するため、必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、事業を施工するに当たりあらかじめ当該事業の施工に係る、土地周辺関係者及び通行経路の住民に当該事業の内容について事前に公開し、理解を得るように努めるとともに、当該事業の施工に伴う苦情又は紛争が生じたときは、誠意をもつてその解決に当たらなければならない。
3 土地所有者等は事業主及び工事施工者と連帯して第2項の責務を負わなければならない。
4 土砂等を運搬する者は、事業に使用される土砂等を運搬しようとするときは、当該土砂等の汚染状況を確認し、土砂等の埋立て等による土壌の汚染が発生するおそれのある土砂等を運搬してはならない。
5 土地所有者等は、事業を行う者に対して土地を提供するときは、当該土砂等の埋立てによる土壌の汚染及び災害が発生するおそれのある事業を行う者に対して、当該土地を提供することのないよう努めなければならない。
(土地埋立て等審議会)
第5条 この条例に関する事業を審議するため、御杖村土地埋立て等審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、村長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査及び審議し、その結果を村長に答申するものとする。
(1) 土砂等による土地の埋立て等の規制に関すること。
(2) その他村長の諮問に関すること。
3 審議会は、委員5人以内をもつて組織し、委員は次に掲げる者のうちから村長が委嘱する。
(1) 法律、土木工学、地域環境及び交通問題に識見を有する者
(2) その他村長が適当と認める者
4 審議会の運営に関して必要な事項は、施行規則で定める。
(事業の許可)
第6条 事業を行なおうとする者は、施行規則で定めるところにより村長の許可を受けなければならない。
2 村長は、前項の許可をする場合において必要があると認めるときは審議会の意見を聴くことができる。
3 第1項の許可には、生活環境の保全及び災害の防止を図るため必要な条件を付けることができる。
(事業の変更)
第7条 前条第1項の許可を受けた事業主は、許可に係る事項を変更(施行規則で定める軽微な変更を除く。)しようとするときは、施行規則で定めるところにより、村長の許可を受けなければならない。
2 前条第3項の規定は、前項の許可について準用する。
(事前協議)
第8条 第6条第1項又は第7条第1項の事業の許可を受けようとする者は、許可の申請の前に施行規則で定める書類及び図面を提出し、事前に村長と協議しなければならない。
(許可の基準)
第9条 村長は、第6条第1項又は第7条第1項の規定による許可の申請があつた場合においては、その申請に係る事業の計画及び施工方法について、次の各号に掲げる措置が講じられていると認めるときでなければ、許可をしてはならない。ただし、一時堆積事業の許可の基準は施行規則で別に定める。
(1) 事業区域及び周辺地域における道路、河川、水路その他公共施設の構造等に支障が生じないよう必要な措置がなされていること。
(2) 事業に使用される土砂等の採取場所が特定されていること。
(3) 事業区域及び周辺地域における自然環境の保全について必要な措置がなされていること。
(4) 騒音、振動、粉じん、水質汚濁、土壌汚染その他公害の発生防止について必要な措置がなされていること。
(5) いつ水防止、土砂等の流出防止その他安全確保について必要な措置がなされていること。
2 前項に規定する措置に係る施工基準(以下「施工基準」という。)は、施行規則で定める。
(事業に使用される土砂等の安全基準等)
第10条 事業に使用される土砂等の安全基準(以下「安全基準」という。)は、村民の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で必要なものとして施行規則で定めるものとする。
(1) 何人も、安全基準に適合しない土砂等を使用して、事業を行つてはならない。
(2) 村長は、事業に安全基準に適合しない土砂等が使用されているおそれがあると認めるときは、当該事業を行つている者に対し、直ちに事業を停止し、及び現状を保全するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(3) 村長は、事業に安全基準に適合しない土砂等が使用されていることを確認したときは、速やかに当該事業の埋立て等が行われ、又は行われた場所の土壌に係る情報を村民に提供するとともに、当該事業を行い、又は行つた者に対し、当該事業に使用された土砂等(当該土砂等により安全基準に適合しないこととなつた土砂等を含む。)の全部若しくは一部を撤去し、又は当該事業による土壌の汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(4) 事業を行う者は、当該事業に使用された土砂等が崩落し、飛散し、又は流出しないように必要な措置を講じなければならない。
(5) 村長は、事業に使用された土砂等が崩落し、飛散し、若しくは流出し、又はこれらのおそれがあると認めるときは、必要に応じ当該事業を行い、又は行つた者に対し、これらを是正し、又は防止するために必要な措置を講ずるよう指導するものとする。
(土砂等の搬入の届出)
第11条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、当該許可に係る事業区域に土砂等を搬入しようとするときは、当該土砂等の採取場所ごとに、当該土砂等が当該採取場所から採取された土砂等であることを証するために必要な書面で施行規則で定めるもの及び当該土砂等が安全基準に適合していることを証するために必要な書面で施行規則で定めるものを添付して村長に届け出なければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合にあつては、当該土砂等が安全基準に適合していることを証するために必要な書面で施行規則で定めるものの添付は、これを省略することができる。
(1) 当該土砂等が、公共事業により採取された土砂等である場合であつて、安全基準に適合していることについて事前に村長の承認を受けたものであるとき。
(2) 当該土砂等が、採石法、砂利採取法その他の法令に基づき許認可等がなされた土砂等の採取場から採取された土砂等である場合であつて、当該採取場から採取された土砂等であることを証するために施行規則で定める書面が添付されたとき。
(3) その他当該土砂等について、土壌の汚染のおそれがないと村長が認めた場合
(事業に使用された土砂等の量等の報告)
第12条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、施行規則で定めるところにより、定期的に当該許可に係る事業に使用された土砂等の量(当該事業が一時堆積事業である場合にあつては、土砂等の搬入量及び搬出量)を村長に報告しなければならない。
(土壌検査及び水質検査等の報告)
第13条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、施行規則で定めるところにより、定期的に、当該許可に係る事業区域の土壌についての土壌検査及び当該事業区域(当該許可に係る事業が一時堆積事業である場合にあつては当該、一時堆積事業の用に供する施設及び事業区域、以下「事業場」という。)以外の地域への排水の水質検査を行い、その結果を村長に報告しなければならない。
2 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、当該許可に係る事業区域の土壌中に安全基準に適合しない土砂等があることを確認したときは、直ちに村長にその旨を報告しなければならない。
3 村長は前2項の規定により基準値を上まわる検査結果が報告されたときは、直ちに当該土砂等の埋立て等を停止し、及び現状を保全するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(許可の譲渡の禁止)
第14条 第6条第1項又は第7条第1項の許可は、当該許可を受けた事業主についてのみ効力を有し、当該事業主は、これを第三者に譲渡してはならない。
(名義貸しの禁止)
第15条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、自己の名義をもつて第三者に事業を行わせてはならない。
(許可の承継)
第16条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主について相続又は合併があつた場合においては、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は、当該許可を受けた事業主の地位を承継する。
2 前項の規定により、事業主の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を村長に届け出なければならない。
(許可の取消し)
第17条 村長は、第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主が、偽りその他の不正な手段により当該許可を受けたとき、又は第14条若しくは第15条の規定に違反したときは、その許可を取り消すことができる。
(工事施工者の届出)
第18条 事業主は、自らその工事を施工するとき、又は工事施工者を定めたときは、施行規則で定めるところにより、当該工事の着手前にその旨を村長に届け出なければならない。
(変更の届出)
第19条 事業主は、その氏名若しくは名称又は住所若しくは所在地に変更があつたときは、施行規則で定めるところにより、変更の日から10日以内にその旨を村長に届け出なければならない。
(標識の設置)
第20条 事業主は、施行規則で定めるところにより、事業区域の所在地及び面積、事業の施工期間その他施行規則で定める事項を記載した標識を設置しなければならない。
2 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、当該許可に係る事業区域と当該事業区域以外の地域との境界に、その境界を明らかにする表示を行わなければならない。
(改善勧告)
第21条 村長は、事業主が第6条第1項若しくは第7条第1項の許可又は第6条第3項若しくは第7条第2項において準用する第6条第3項の規定による当該許可に付された条件に違反して事業を施工しているときは、土地所有者等及び当該事業主に対し、改善するよう勧告することができる。
(改善命令)
第22条 村長は、事業主が前条の勧告に従わないときは、土地所有者等及び当該事業主に対し、期限を定めて改善を命ずることができる。
(停止命令)
第23条 村長は、事業主が第6条第1項若しくは第7条第1項の許可を受けず、又は事業主が前条の改善命令に従わず工事を施工しているときは、土地所有者等及び当該事業主に対し、当該工事の施工の停止を命ずることができる。
(原状回復等の命令)
第24条 村長は、土地所有者等及び当該事業主が、前条に基づく停止命令に従わないとき、又は特に必要と認められるときは、土地所有者等及び当該事業主に対し、原状回復等を命ずることができる。
(事業の完了)
第25条 事業主は、当該事業が完了したときは、速やかに村長に届け出なければならない。
2 村長は、前項の報告があつたときは、事業が施工基準に適合するか否かを検査し、適合しないと認めるときは、土地所有者等及び当該事業主に対し、期限を定めて改善を命ずることができる。
(事業の中止、廃止及び再開)
第26条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、当該事業を中止、廃止又は再開しようとするときは、当該事業による土壌の汚染及び当該事業に使用された土砂等の崩落、飛散又は流出による災害の発生を防止する為に必要な措置を講じなければならない。
2 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は、当該許可を受けた事業を廃止したときは遅滞なくその旨を村長に届け出なければならない。当該事業を2ヶ月以上中止するときも同様とする。
3 前条第2項の規定は、前項に規定する届出があつた場合について準用する。
4 事業主は、第2項にある当該事業を2ヶ月以上中止した事業を再開しようとする場合は遅滞無くその旨を村長に届け出なければならない。
(報告の徴収)
第27条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主に対し、工事の施工状況その他必要な事項に関し報告を求めることができる。
(廃止・完了又は取消し後の報告の徴収)
第28条 村長は、当該事業の事業主及び土地所有者等に対し、その事業について事業主が第25条第1項の規定による完了の届出、若しくは第26条第2項の廃止又は中止の届出をした日、又は第17条の許可の取消しの通知を受けた日から5年間当該事業に関し報告させることができる。
(関係書類の保存)
第29条 第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた事業主は当該事業について、第25条第1項の規定による完了の届出、若しくは第26条第2項の廃止又は中止の届出をした日、又は第17条の許可の取消しの通知を受けた日から5年間、当該事業に関しこの条例の規定により、村長に提出した書類及び図面の写しを保存しなければならない。
(立入検査)
第30条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、村職員に事業を行う者の事務所若しくは事業所又は事業区域内にある土地若しくは建物に立ち入り、帳簿・書類・その他のものを調査、検査させ関係人に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(聴聞)
第31条 村長は、第17条、第21条から第24条まで又は第25条第2項(第26条第3項の規定により準用する場合を含む。)の規定による処分を行う場合は、あらかじめ期日、場所及び事業の内容を示して、土地所有者等及び事業主に聴聞を行わなければならない。ただし、これらの者が正当な理由がなく聴聞に応じないとき、又は緊急やむを得ないときは、この限りでない。
(違反事実の公表)
第32条 村長は、事業主が第22条から第24条まで又は第25条第2項(第26条第3項の規定により準用する場合を含む。)の規定による命令に違反し、生活環境の保全及び災害の防止を図る上で重大な支障があると認めるときは、その事実を公表することができる。
(委任)
第33条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、施行規則で定める。
(罰則)
第34条 次の各号の一に該当する者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第6条第1項又は第7条第1項の規定による許可を受けないで事業を行つた者
(2) 偽りその他不正の手段により、第6条第1項又は第7条第1項の許可を受けた者
(3) 第22条から第24条まで又は第25条第2項(第26条第3項の規定により準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者
2 次の各号の一に該当する者は、50万円以下の罰金に処する。
(1) 第20条の規定に違反した者
[第20条]
(2) 第30条第1項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者
[第30条第1項]
3 次の各号の一に該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第11条、第16条第2項、第25条第1項又は第26条第2項の規定に違反して届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2) 第12条、第13条第1項又は同条第2項の規定に違反して報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(両罰規定)
第35条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年6月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例施行の際、現に施行されている事業については、この条例の施行の日から起算して6月を経過した日から適用する。
附 則(平成27年12月25日条例第27号)
|
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和7年3月6日条例第16号)
|
この条例は、令和7年6月1日から施行する。
別表(第3条関係)
1 | 次に掲げる法令等の規定による許可、認可、承認に基づいて行われる事業 | |
・都市計画法 | ||
・河川法 | ||
・道路法 | ||
・宅地造成等規制法 | ||
・砂防法 | ||
・地すべり等防止法 | ||
・急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 | ||
・自然公園法 | ||
・森林法 | ||
・農業振興地域の整備に関する法律 | ||
・採石法 | ||
・砂利採取法 | ||
・土地改良法 | ||
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | ||
・奈良県自然環境保全条例 | ||
・奈良県土採取規制条例 | ||
・木津川水系砂防事業 | ||
・御杖村水道水源保護条例 | ||
・その他村長が認めて行われる事業 | ||
2 | その他 | |
(1) | 国及び地方公共団体が行う事業 | |
(2) | 事業区域外からの土砂等の搬入、搬出を伴わない事業 | |
(3) | 公共公益性を目的として、公社等が行う事業 | |
(4) | 事業区域の面積が500平方メートル未満の埋立て、盛土事業の内、技術基準に基づく堅固な土留工で囲まれ、土留工の天端より盛土の法高1メートル未満の事業 | |
(5) | 通常の管理行為、軽易な行為 |