○丸亀市公文書等の管理に関する条例
(令和3年3月29日条例第5号) |
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目次
第1章 総則(第1条-第3条)
第2章 公文書の管理等
第1節 文書の作成等(第4条・第5条)
第2節 公文書の整理等(第6条-第10条)
第3章 特定歴史公文書等の保存、利用等(第11条-第23条)
第4章 雑則(第24条-第27条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、市の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、市民共有の知的資源として、市民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、公文書の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって市政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、市の諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 実施機関 市長、消防長、モーターボート競走事業管理者、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。
(2) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
ア 一般に容易に入手することができるもの又は一般に利用することができる施設において閲覧若しくは視聴に供されているもの
イ 特定歴史公文書等
ウ 歴史的若しくは文化的な資料又は学術研究用の資料として特別に管理しているもの(イに掲げるものを除く。)
(3) 歴史公文書等 歴史資料として重要な公文書その他の文書をいう。
(4) 特定歴史公文書等 歴史公文書等のうち、次に掲げるものをいう。
ア 第9条第1項の規定により市長に移管されたもの
[第9条第1項]
イ 法人その他の団体(実施機関を除く。)又は個人(第12条第2項第2号において「法人等」という。)から市に寄贈され、又は寄託されたもののうち、市長が指定するもの
(5) 公文書等 公文書及び特定歴史公文書等をいう。
(法令等との関係)
第3条 公文書等の管理については、法律若しくはこれに基づく命令又は他の条例に特別の定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
第2章 公文書の管理等
第1節 文書の作成等
(文書の作成)
第4条 実施機関の職員は、第1条の目的の達成に資するため、当該実施機関における意思決定に至る過程並びに当該実施機関の事務及び事業の実績について、合理的に確認し、又は検証することができるよう、処理に係る事案が軽微なものである場合を除き、文書を作成しなければならない。
[第1条]
(修正のための決裁を経ない決裁終了文書の修正の禁止)
第5条 決裁が終了した起案文書又はこれに添付した参考資料の内容について修正をすることは、当該修正を行うための起案をし、改めて決裁を経ることなくして行ってはならない。
第2節 公文書の整理等
(整理)
第6条 実施機関の職員が公文書を作成し、又は取得したときは、当該実施機関は、規則その他の規程で定めるところにより、当該公文書について系統的に分類し、保存期間等を設定し、管理しなければならない。
2 実施機関は、職務の遂行上必要があるときは、その必要な限度において、前項の保存期間等を延長することができる。
3 実施機関は、公文書の保存期間(前項の規定により延長された場合にあっては、延長後の保存期間。以下同じ。)の満了前のできる限り早い時期に、保存期間が満了したときの措置として、歴史公文書等に該当するものにあっては市長への移管の措置を、それ以外のものにあっては廃棄の措置をとるべきことを定めなければならない。
(保存)
第7条 実施機関は、公文書について、当該公文書の保存期間を満了するまでの間、その内容、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。
(文書目録)
第8条 実施機関は、公文書の管理を適切に行うため、規則その他の規程で定めるところにより、公文書の目録を作成し、一般の閲覧に供するものとする。
(移管又は廃棄)
第9条 実施機関は、保存期間が満了した公文書(歴史公文書等に該当するものに限る。)について、第6条第3項の規定による定めに基づき、市長への移管をしなければならない。
[第6条第3項]
2 実施機関は、前項の規定により移管をする公文書について、第12条第2項第1号に掲げる場合に該当するものとして利用の制限を行うことが適切であると認める場合には、その旨の意見を付さなければならない。
3 実施機関は、保存期間が満了した公文書(歴史公文書等に該当するものを除く。)について、第6条第3項の規定による定めに基づき、廃棄をしなければならない。
[第6条第3項]
4 実施機関は、第1項の規定による移管又は前項の規定による廃棄をしようとするときは、あらかじめ市長に協議しなければならない。
5 市長は、前項の規定による協議の際、移管又は廃棄について専門的な判断を要すると認めるときは、専門的な知見を有する者に意見を聴取しなければならない。
(公文書管理規程)
第10条 実施機関は、公文書の管理が第4条から前条までの規定に基づき適正に行われることを確保するため、公文書の管理に関する定め(以下「公文書管理規程」という。)を設けなければならない。
[第4条]
2 公文書管理規程には、公文書に関する次に掲げる事項を規定しなければならない。
(1) 作成に関する事項
(2) 整理に関する事項
(3) 保存に関する事項
(4) 文書目録に関する事項
(5) 移管又は廃棄に関する事項
(6) 管理体制の整備に関する事項
(7) 点検に関する事項
(8) 職員の研修に関する事項
(9) 前各号に掲げるもののほか、公文書の管理に関し必要な事項
3 実施機関は、公文書管理規程を設けたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第3章 特定歴史公文書等の保存、利用等
(特定歴史公文書等の保存等)
第11条 市長は、特定歴史公文書等について、第21条第1項の規定により廃棄されるに至る場合を除き、永久に保存しなければならない。
[第21条第1項]
2 市長は、特定歴史公文書等について、その内容、保存状態、時の経過、利用の状況等に応じ、適切な保存及び利用を確保するために必要な場所において、適切な記録媒体により、識別を容易にするための措置を講じた上で保存しなければならない。
3 市長は、特定歴史公文書等に個人情報(個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)が記録されている場合には、当該個人情報の漏えいの防止のために必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、特定歴史公文書等の適切な保存を行い、及び適切な利用に資するために必要な事項を記載した目録を作成し、公表しなければならない。
(特定歴史公文書等の利用請求及びその取扱い)
第12条 何人も、この条例の定めるところにより、市長に対し、特定歴史公文書等の利用の請求(以下「利用請求」という。)をすることができる。
2 市長は、利用請求があった場合には、次に掲げる場合を除き、これを利用させなければならない。
(1) 当該特定歴史公文書等に次に掲げる情報が記録されている場合
ア 丸亀市情報公開条例(平成17年条例第21号。以下「情報公開条例」という。)第7条第1号に掲げる情報
イ 情報公開条例第7条第2号に掲げる情報
ウ 情報公開条例第7条第3号又は第7号ア若しくはオに掲げる情報
[情報公開条例第7条第3号] [第7号]
エ 公にすることにより、人の生命、身体、財産等の保護、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると当該特定歴史公文書等を作成した実施機関(当該実施機関の所掌する事務又は事業が他の実施機関に移管されている場合にあっては、当該他の実施機関。以下同じ。)が認めることにつき相当の理由がある情報
(2) 当該特定歴史公文書等がその全部又は一部を一定の期間公にしないことを条件に法人等から寄贈され、又は寄託されたものであって、当該期間が経過していない場合
(3) 当該特定歴史公文書等の原本を利用に供することにより当該原本の破損若しくはその汚損を生ずるおそれがある場合又は市長が当該原本を現に使用している場合
3 市長は、利用請求に係る特定歴史公文書等が前項第1号に該当するか否かについて判断するに当たっては、当該特定歴史公文書等が公文書として作成又は取得されてからの時の経過を考慮するとともに、当該特定歴史公文書等に第9条第2項の規定による意見が付されている場合には、当該意見を参酌しなければならない。
[第9条第2項]
4 市長は、第2項第1号又は第2号に掲げる場合であっても、同項第1号アからエまでに掲げる情報又は同項第2号の条件に係る情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、利用請求をした者(以下「利用請求者」という。)に対し、当該部分を除いた部分を利用させなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(本人情報の取扱い)
第13条 市長は、前条第2項第1号イの規定にかかわらず、同号イに掲げる情報により識別される特定の個人(以下この条において「本人」という。)から、当該情報が記録されている特定歴史公文書等について利用請求があった場合において、規則で定めるところにより本人であることを示す書類の提示又は提出があったときは、本人の生命、身体、健康、財産又は生活を害するおそれがある情報が記録されている場合を除き、当該特定歴史公文書等につき同号イに掲げる情報が記録されている部分についても、利用させなければならない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第14条 利用請求に係る特定歴史公文書等に国、独立行政法人等(公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)第2条第2項に規定する独立行政法人等をいう。)、他の地方公共団体、地方独立行政法人及び利用請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合には、市長は、当該特定歴史公文書等を利用させるか否かについての決定をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 市長は、第三者に関する情報が記録されている特定歴史公文書等の利用をさせようとする場合であって、当該情報が情報公開条例第7条第2号イ又は第3号ただし書に規定する情報に該当すると認めるときは、利用させる旨の決定に先立ち、当該第三者に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
3 市長は、特定歴史公文書等であって第12条第2項第1号エに該当するものとして第9条第2項の規定により意見を付されたものを利用させる旨の決定をする場合には、あらかじめ、当該特定歴史公文書等の移管をした実施機関に対し、利用請求に係る特定歴史公文書等の名称その他規則で定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。
[第12条第2項第1号] [第9条第2項]
4 市長は、第1項又は第2項の規定により意見書を提出する機会を与えられた第三者が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示した意見書を提出した場合において、当該特定歴史公文書等を利用させる旨の決定をするときは、その決定の日と利用させる日との間に少なくとも2週間を置かなければならない。この場合において、市長は、その決定後直ちに、当該意見書(第17条において「反対意見書」という。)を提出した第三者に対し、利用させる旨の決定をした旨及びその理由並びに利用させる日を書面により通知しなければならない。
(利用の方法)
第15条 市長が特定歴史公文書等を利用させる場合には、文書、図画、写真又はフィルムについては閲覧又は写しの交付の方法により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。ただし、閲覧の方法により特定歴史公文書等を利用させる場合にあっては、当該特定歴史公文書等の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときに限り、その写しを閲覧させる方法により、これを利用させることができる。
(費用の負担)
第16条 前条の規定により特定歴史公文書等の写しの交付を受ける者は、規則で定めるところにより、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
(審査請求及び審査会への諮問)
第17条 利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為について不服がある者は、市長に対し、審査請求をすることができる。
2 前項の審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。
3 利用請求に対する処分又は利用請求に係る不作為に係る審査請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、市長は、速やかに、丸亀市情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決をしなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させることとする場合(当該特定歴史公文書等の利用について反対意見書が提出されている場合を除く。)
4 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
5 市長は、第3項の規定により諮問をしたときは、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 利用請求者(利用請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る特定歴史公文書等の利用について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)
第18条 第14条第4項の規定は、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。
[第14条第4項]
(1) 利用させる旨の決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る利用決定等(利用請求に係る特定歴史公文書等の全部を利用させる旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る特定歴史公文書等を利用させる旨の裁決(第三者である参加人が当該特定歴史公文書等を利用させることに反対の意思を表示している場合に限る。)
(利用の促進)
第19条 市長は、特定歴史公文書等(第12条の規定により利用させることができるものに限る。)について、積極的に一般の利用に供するよう努めなければならない。
(移管元実施機関による利用の特例)
第20条 特定歴史公文書等の移管をした実施機関が市長に対してその所掌事務又は業務を遂行するために必要であるとして当該特定歴史公文書等について利用請求をした場合には、第12条第2項第1号の規定は、適用しない。
(特定歴史公文書等の廃棄)
第21条 市長は、特定歴史公文書等として保存されている文書が歴史資料として重要でなくなったと認める場合には、特定歴史公文書等の移管をした実施機関と協議の上、当該文書の廃棄をすることができる。
2 市長は、前項の規定による廃棄をしようとする場合において、専門的な判断を要すると認めるときは、専門的な知見を有する者に意見を聴取しなければならない。
(保存及び利用の状況の公表)
第22条 市長は、毎年1回、特定歴史公文書等の保存及び利用の状況について取りまとめ、その概要を公表しなければならない。
(特定歴史公文書等の利用等に関する定めの整備)
第23条 市長は、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄が第11条から第16条まで及び第19条から前条までの規定に基づき適切に行われることを確保するため、特定歴史公文書等の保存、利用及び廃棄に関する定め(以下この条において「利用等規程」という。)を設けなければならない。
2 市長は、利用等規程を設けたときは、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする。
第4章 雑則
(出資法人等の文書の管理)
第24条 市が出資する法人であって、市長の定めるもの(以下「出資法人」という。)は、この条例の趣旨にのっとり、当該出資法人が保有する文書の適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の規定により本市の公の施設の管理を行うものをいう。以下同じ。)は、この条例の趣旨にのっとり、その管理する公の施設(同法第244条第1項に規定する公の施設をいう。)の管理に関する業務に係る文書の適正な管理に関し必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
3 実施機関は、出資法人及び指定管理者に対し、前2項の措置を講ずるよう指導するものとする。
(研修)
第25条 実施機関は、当該実施機関の職員に対し、公文書等の管理を適正かつ効果的に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修を行うものとする。
(組織の見直しに伴う公文書等の適正な管理のための措置)
第26条 実施機関は、当該機関について統合、廃止等の組織の見直しが行われる場合には、その管理する公文書等について、統合、廃止等の組織の見直しの後においても適正な管理が行われることが確保されるよう必要な措置を講じなければならない。
(委任)
第27条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に丸亀市公文書管理規程(平成17年訓令第9号)の規定に基づき歴史的公文書として認定され、保存されているものについては、特定歴史公文書等とみなす。
(丸亀市情報公開条例の一部改正)
3 丸亀市情報公開条例の一部を次のように改正する。
(丸亀市附属機関設置条例の一部改正)
4 丸亀市附属機関設置条例(平成17年条例第19号)の一部を次のように改正する。