○丸亀市伝統的建造物群保存地区保存条例
(平成17年3月22日条例第105号)
改正
平成17年6月23日条例第188号
平成23年9月21日条例第29号
令和6年3月28日条例第19号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項及び第2項の規定に基づき、都市計画に定める伝統的建造物群保存地区又は丸亀市(以下「市」という。)がこの条例により定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存のため必要な措置を定め、もって市民文化の向上に資することを目的とする。
一部改正〔平成17年条例188号〕
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 伝統的建造物群 法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。
(2) 伝統的建造物群保存地区 法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)をいう。
一部改正〔平成17年条例188号〕
(保存地区の決定)
第3条 丸亀市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、市の都市計画区域以外の区域内に所在する伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するため、保存地区を決定することができる。
2 前項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ第14条に規定する審議会の意見を聴かなければならない。
3 保存地区を決定しようとする場合において必要があると認めるときは、住民等の意見を反映させるために公聴会の開催等必要な措置を講ずるものとする。
4 保存地区を決定したときは、その名称及び区域を告示しなければならない。
5 保存地区の決定は、告示することによりその効力を生ずる。
(保存地区の取消し)
第4条 教育委員会は、前条第1項により決定した保存地区がその価値を失った場合その他特殊の事由がある場合においては、当該保存地区の決定を取り消すことができる。
2 前項の場合には、前条第2項から第5項までの規定を準用する。
(保存計画)
第5条 教育委員会は、保存地区が決定されたときは、第14条に規定する審議会の意見を聴いて、当該保存地区の保存に関する計画(以下「保存計画」という。)を定めなければならない。
2 保存計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 保存地区の保存に関する基本計画に関する事項
(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の決定に関する事項
(3) 伝統的建造物の保存整備計画に関する事項
(4) 伝統的建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件に係る助成措置等に関する事項
(5) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項
3 教育委員会は、保存計画を定めたときは、これを告示しなければならない。
4 保存計画を変更する場合においては、第1項及び前項の規定を準用する。
(現状変更行為の規制)
第6条 保存地区内において次に掲げる行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会の許可を受けなければならない。
(1) 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の新築、増築、改築、移転又は除却
(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更でその外観を変更することとなるもの
(3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更
(4) 木竹の伐採
(5) 土石類の採取
(6) 水面の埋立て
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる行為については、同項の規定による許可を受けることを要しない。
(1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。)の新築、増築、改築、移転又は除却
ア 仮設の工作物
イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの
(3) 次に掲げる木竹の伐採等の行為
ア 木竹の育成のため通常行われる間伐、枝打ち又は整枝等
イ 枯損した木竹又は危険な木竹の除却
ウ 森林病害虫等防除の対象となる木竹の除却
エ 仮植した木竹の移転
(4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為
イ 香川県公安委員会又は道路管理者が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為
3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付することができる。
(許可の基準)
第7条 教育委員会は、前条第1項各号に掲げる行為で次に定める基準に適合しないものについては、同項の規定による許可をしてはならない。
(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(2) 伝統的建造物の移転(当該保存地区内における伝統的建造物の移築を含む。以下この条において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(5) 前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(6) 第4号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(7) 前条第1項第3号から第6号までの行為については、それらの行為後の地貌(ぼう)その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
(8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途等が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれのないものであること。
(国の機関等に関する特例)
第8条 国、地方公共団体の機関若しくは地方公共団体又は法令の規定により国の行政機関若しくは地方公共団体とみなされた法人(以下「国の機関等」という。)が行う行為については、第6条第1項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関等は、第6条第1項の許可に係る行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会と協議しなければならない。
第9条 次に掲げる行為については、第6条第1項又は前条後段の規定は適用しない。この場合において、第6条第1項の許可又は前条後段の協議に係る行為をしようとするときは、あらかじめ教育委員会にその旨を通知しなければならない。
(1) 都市計画法(昭和43年法律第100号)による都市計画事業の施行として行う行為
(2) 都市計画法による国、香川県、市又は当該都市計画施設を管理することとなる者が当該都市計画施設又は市街地開発事業に関する都市計画に適合して行う行為
(3) 砂防法(明治30年法律第29号)による砂防工事の施行又は砂防設備の管理(同法に規定する事項が準用されるものを含む。)に係る行為
(4) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)による地すべり防止工事の施行に係る行為
(5) 森林法(昭和26年法律第249号)第5条の地域森林計画に定める林道の新設及び管理に係る行為
(6) 独立行政法人水資源機構法(平成14年法律第182号)第12条第1項に規定する業務に係る行為
(7) 高速自動車国道若しくは道路法(昭和27年法律第180号)による自動車専用道路の新設、改築、維持、修繕若しくは災害復旧(これらの道路とこれらの道路以外の道路(道路運送法(昭和26年法律第183号)による一般自動車道を除く。)とを連絡する施設の新設及び改築を除く。)又は道路法による道路(高速自動車国道及び自動車専用道路を除く。)の改築(小規模の拡幅、舗装、こう配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著しい変更を及ぼさないものに限る。)、維持、修繕若しくは災害復旧に係る行為
(8) 道路運送法による一般自動車道及び専用自動車道(鉄道若しくは軌道の代替に係るもの又は一般乗合旅客自動車運送事業の用に供するものに限る。)の造設(これらの自動車道とこれらの自動車道以外の道路(高速自動車国道及び道路法による自動車専用道路を除く。)とを連絡する施設の造設を除く。)又は管理に係る行為
(9) 交通監視塔等道路交通の安全のため必要な施設の設置又は管理に係る行為
(10) 漁港及び漁場の整備等に関する法律(昭和25年法律第137号)第3条第1号に掲げる基本施設又は同条第2号イ及びロに掲げる機能施設に関する工事の施行又は漁港施設の管理に係る行為
(11) 気象、地象又は洪水その他これに類する現象の観測又は通報の用に供する設備の設置又は管理に係る行為
(12) 自然公園法(昭和32年法律第161号)による公園事業に係る行為
(13) 都市公園法(昭和31年法律第79号)による都市公園及び公園施設の設置又は管理に係る行為
(14) 法第27条第1項の規定により指定された重要文化財、同法第78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財、同法第92条第1項に規定する埋蔵文化財又は同法第109条第1項の規定により指定され、若しくは同法第110条第1項の規定により仮指定された史跡名勝天然記念物の保存に係る行為
(15) 独立行政法人鉄道建設、運輸施設整備支援機構、本州四国連絡橋公団又は四国旅客鉄道株式会社が行う鉄道施設又は軌道施設の建設(駅、操車場、車庫その他これらに類するものの建設を除く。)又は管理に係る行為
(16) 郵便差出箱の設置又は管理に係る行為
(17) 国又は地方公共団体が行う通信業務の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(18) 日本電信電話株式会社又は国際電信電話株式会社が行う公衆電気通信事業の用に供する線路又は空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設の設置又は管理に係る行為
(19) 公衆電話施設の設置又は管理に係る行為
(20) 有線テレビジョン放送(有線電気通信設備を用いて行われる放送法(昭和25年法律第132号)第2条第18号に規定するテレビジョン放送をいう。)の用に供する線路若しくは空中線系(その支持物を含む。)の設置又は管理に係る行為
(21) 電気事業法(昭和39年法律第170号)による電気事業の用に供する電気工作物の設置(発電の用に供する電気工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(22) ガス事業法(昭和29年法律第51号)によるガス工作物の設置(液化石油ガス以外の原料を主原料とするガスの製造の用に供するガス工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
(23) 水道法(昭和32年法律第177号)による水道又は下水道法(昭和33年法律第79号)による下水道の施設の設置又は管理に係る行為
一部改正〔平成17年条例188号〕
(許可の取消し等)
第10条 教育委員会は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、保存地区の保存のため必要な限度において、第6条第1項の規定によってした許可を取り消し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、建築物等の改築、移転又は除却その他違反を是正するため必要な措置を執ることを命ずることができる。
(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
(2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者
(3) 第6条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者
(4) 詐欺その他不正な手段により、第6条第1項の規定による許可を受けた者
第11条 第5条から第10条までの規定は、市が都市計画区域内に保存地区を定めた場合について準用する。この場合において、第6条から第10条までの規定中「教育委員会」とあるのは「市長及び教育委員会」と読み替えるものとする。
(損失の補償)
第12条 市長は、第6条第1項(第11条で準用する場合を含む。)の許可を受けることができなかったことにより、損失を受けた者に対しては、通常生ずべき損失を補償するものとする。
(経費の補助等)
第13条 市長は、保存地区内における建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる保存地区内の土地、建築物その他工作物若しくは環境物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該物件の所有者等に対し、予算の範囲内においてその経費の一部を補助することができる。
(審議会の設置等)
第14条 教育委員会に、丸亀市伝統的建造物群保存地区保存審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、教育委員会(都市計画区域内に保存地区を定めた場合にあっては市長及び教育委員会)の諮問に応じ、保存地区の保存等に関する事項について調査審議し、及びこれらの事項について教育委員会に建議する。
3 審議会の委員の定数は、10人以内とし、学識経験者、関係地域を代表する者及び関係行政機関の職員のうちから、教育委員会が委嘱する。
4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 審議会に必要があるときは、臨時委員を置くことができる。
(委任)
第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則(都市計画区域内に保存地区を定めた場合にあっては規則又は教育委員会規則)で定める。
(罰則)
第16条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(1) 第6条第1項(第11条で準用する場合を含む。)の規定に違反した者
(2) 第10条(第11条で準用する場合を含む。)の規定に基づく命令に違反した者
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年3月22日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に、丸亀市伝統的建造物群保存地区保存条例(昭和58年丸亀市条例第7号)の規定により策定された保存計画及びなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 施行日前になされた行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則(平成17年6月23日条例第188号)
この条例は、公布の日から施行し、平成17年4月1日から適用する。
附 則(平成23年9月21日条例第29号)
この条例は、公布の日から施行する。
附 則(令和6年3月28日条例第19号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。