○北見市男女共同参画を推進するための条例
(平成18年7月4日条例第263号)
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 基本理念(第3条-第9条)
第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務(第10条-第15条)
第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策(第16条-第26条)
第5章 北見市男女共同参画審議会(第27条-第29条)
第6章 雑則(第30条)
附則
私たち北見市民は、オホーツクの豊かな自然環境の中で、おおらかな心をもって、このまちで安心していきいきと暮らしたいと願っています。
私たちは、お互いの人格、個性、能力、価値観を理解し、認め合い、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において責任をもって生きることのできる男女共同参画社会を築くことが、いま、この時代と、これから生まれる人たちにとって、とても大切なことであると信じます。
また、人権を侵害するあらゆる形態の暴力を根絶することは、男女共同参画社会の実現に不可欠です。私たちは、すべての人が人として尊重される社会を理想として、行動していくことを決意します。
男女共同参画社会の実現は、未来に希望をもてるまちづくりのための道標です。私たち北見市民は、多様な性のあり方や人権が尊重され、一人ひとりの個性と能力を十分に発揮することができる社会を実現するための大きな第一歩として、ここにこの条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、男女の人権の尊重及び平等の理念に基づき、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定めるとともに、市、市民、事業者及び教育関係者の責務と基本施策を明らかにすることにより、男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)
男女共同参画 すべての人が、性別にかかわりなく、社会の対等な構成員として、自らの意思で社会のあらゆる分野における活動に参画することをいう。
(2)
積極的改善措置 男女共同参画を推進するため、必要な範囲内において、男女間の格差を積極的に改善することをいう。
(3)
セクシュアル・ハラスメント 性的言動により、他人の生活環境を害すること、及び性的言動に対する他人の対応によりその他人に不利益を与えることをいう。
第2章 基本理念
(男女の人権の尊重)
第3条
男女共同参画の推進は、男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が直接的にも間接的にも性別による差別的な取扱いを受けないこと、性別にとらわれず個人として能力を発揮する機会が確保されること、その他男女の人権が尊重されることを旨として行われなければならない。
2
男女共同参画の推進に当たっては、男女の性別にかかわらず、性同一性障がいを持つ人その他多様な性を持つ人の人権についても配慮しなければならない。
(暴力の根絶)
第4条
男女共同参画の推進は、あらゆる形態の暴力を根絶することが男女共同参画社会を実現するために不可欠であることを旨として行われなければならない。
(社会制度又は慣行についての配慮)
第5条
男女共同参画の推進に当たっては、性別による固定的な役割分担にとらわれることのないように、社会における制度及び慣行をできる限り中立なものとするように配慮しなければならない。
(共同参画の機会確保)
第6条
男女共同参画の推進は、男女が市の政策又は事業者における方針の立案及び決定に共同して参画する機会を確保するために積極的改善措置をとることを旨として行われなければならない。
(家庭生活とその他の活動の両立)
第7条
男女共同参画の推進は、男女が家族の一員として、子育て、家族の介護その他の家庭生活における活動と学校、職場、地域などの活動を両立させることができるようにすることを旨として行われなければならない。
(性と生殖に関する健康と権利)
第8条
男女共同参画の推進は、妊娠、出産などに関して男女が互いに理解を深め、性と生殖に関する健康と権利が尊重されることを旨として行われなければならない。
(国際協調)
第9条
男女共同参画の推進は、国際社会と協調することを旨として行われなければならない。
第3章 市、市民、事業者及び教育関係者の責務
(市の責務)
第10条
市は、男女共同参画の推進を主要な政策として位置づけ、前章の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画を推進するための施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、これを公表し、実施しなければならない。
2
市は、男女共同参画の推進に当たっては、市民、事業者、国及び他の地方公共団体との連携を図らなければならない。
(市民の責務)
第11条
市民は、基本理念にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進の重要性を自覚し、市と協力して、積極的に男女共同参画を推進するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第12条
事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たって、男女共同参画を積極的に推進するとともに、働く男女が仕事と家庭生活等とを両立させることができるように職場環境を整備し、市が実施する男女共同参画を推進するための施策に協力するよう努めなければならない。
(教育関係者の責務)
第13条
学校教育、社会教育その他あらゆる教育現場にかかわる者は、基本理念にのっとり、それぞれの教育の場において男女共同参画の推進に配慮するよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第14条
すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、性別を理由として、直接的にも間接的にも差別的な取扱いをしてはならない。
2
すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
3
すべての人は、家庭、学校、職場、地域その他社会のあらゆる分野において、異性に対し身体的又は精神的な暴力を行使してはならない。
(情報に関する留意)
第15条
すべての人は、公衆に情報を提供するに当たっては、性別による固定的な役割分担及び前条各項に規定する行為を助長し、又は連想させるような表現その他過度な性的表現を行わないように努めなければならない。
第4章 男女共同参画を推進するための基本的施策
(基本計画)
第16条
市長は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2
基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1)
男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な施策の大綱
(2)
男女の人権の尊重に関する事項
(3)
前2号に掲げるもののほか、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3
市長は、基本計画を策定し、又は変更しようとするときは、あらかじめ北見市男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。
4
市長は、基本計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表しなければならない。
(施策の策定などに当たっての配慮)
第17条
市は、施策の策定及び実施に当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。
(市民及び事業者の理解を深めるための措置)
第18条
市は、基本理念に関する市民及び事業者の理解を深めるため、情報の提供、広報啓発活動その他適切な措置を講じなければならない。
(教育及び学習の振興)
第19条
市は、学校教育、社会教育その他の教育の分野において、男女共同参画の推進に関する教育及び学習の振興を図るため、必要な措置を講ずるものとする。
(調査研究)
第20条
市は、男女共同参画の推進に関する施策の策定に必要な調査研究を行うものとする。
(審議会などにおける男女共同参画の推進)
第21条
市は、その設置する審議会などの委員の委嘱などを行う場合は、男女の均衡に配慮するよう努めるものとする。
(市民及び事業者に対する支援)
第22条
市は、男女共同参画の推進に関する市民及び事業者の活動を支援するため、情報の提供、人材の育成、拠点施設の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(推進体制の整備)
第23条
市は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な推進体制を整備するものとする。
(財政上の措置)
第24条
市は、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(報告書の作成及び公表)
第25条
市長は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況について報告書を作成し、これを公表しなければならない。
(苦情及び相談)
第26条
市は、男女共同参画の推進に関する市民及び事業者からの苦情及び相談を処理するための総合的な窓口を設けるものとする。
第5章 北見市男女共同参画審議会
(審議会の設置)
第27条
男女共同参画を総合的かつ計画的に推進するため、北見市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(審議会の権限)
第28条
審議会は、基本計画に関する事項その他男女共同参画の推進に関わる事項について、市長の諮問により又は必要に応じて調査審議し、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第29条
審議会は、12人の委員をもって組織する。
この場合において、男女のいずれか一方の委員の数は、5人未満であってはならない。
2
委員は、次に掲げる者のうちから、産業、職業、年齢層の均衡に配慮し、市長が委嘱する。
(1)
学識経験のある者
(2)
公募に応じた者
(3)
その他市長が必要と認めた者
3
委員の任期は、2年とし、1年ごとにその半数を改嘱する。
ただし、再委嘱を妨げない。
4
補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5
委員は、連続して3期(補欠委員の任期に係る期数を除く。)を超えて在職することができない。
6
市長は、特別の事由があると認めるときは、任期中であっても委員を解嘱することができる。
7
前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第6章 雑則
(委任)
第30条
この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1
この条例は、公布の日から施行する。
(任期の特例)
2
この条例の施行の後、最初に委嘱される委員のうち、半数の者の任期は、第29条第3項の規定にかかわらず、1年とする。