○北見市オンブズマン条例
(平成18年3月5日条例第27号)
(設置)
第1条
市民の市政に関する苦情を公平中立な立場で簡易迅速に処理し、市政の改善に関する意見表明等を行うことにより、市民の権利利益の擁護を図り、もって開かれた市政の一層の推進と市政に対する市民の信頼の確保に資するため北見市オンブズマン(以下「オンブズマン」という。)を置く。
(所管事項)
第2条
オンブズマンの所管事項は、市の機関の業務の執行に関する事項及び当該業務に関する職員の行為であって、次に掲げる事項に該当しないもの(以下「市の業務」という。)とする。
(1)
判決、裁決等により確定した権利関係に関する事項
(2)
判決、裁決等を求めて現に係争中の事項又は監査委員が請求に基づき現に監査を実施している事項
(3)
議会に関する事項
(4)
職員の自己の勤務内容に関する事項
(5)
オンブズマンの行為に関する事項
(オンブズマンの職務)
第3条
オンブズマンの職務は、次に掲げるとおりとする。
(1)
市の業務に関する苦情の申立てを受け付け、迅速に処理すること。
(2)
常に市政を監視し、自己の発意に基づき、市の業務に関し事案を取り上げ、調査すること。
(3)
申立てに係る苦情又は自己の発意に基づき取り上げた事案(以下「苦情等」という。)について、市の機関に対し意見を述べ、若しくは是正等の措置を講ずるよう勧告し、又は制度の改善を求める意見を表明すること。
(4)
勧告、意見表明等の内容を公表すること。
(オンブズマンの責務)
第4条
オンブズマンは、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
2
オンブズマンは、その職務の遂行に当たっては、市の機関と連携を図り、相互の職務の円滑な遂行に努めなければならない。
3
オンブズマンは、その地位を政党又は政治的目的のために利用してはならない。
4
オンブズマンは、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。
その職を退いた後も、同様とする。
(市の機関の責務)
第5条
市の機関は、オンブズマンの職務の遂行に関し、その独立性を尊重するとともに、積極的に協力しなければならない。
(市民等の責務)
第6条
市民その他この制度を利用するものは、この条例の目的を達成するため、この制度が適正かつ円滑に運営されるよう努めなければならない。
(オンブズマンの組織等)
第7条
オンブズマンの定数は、2人とする。
2
オンブズマンは、人格が高潔で社会的信望が厚く、地方行政に関し優れた識見を有する者のうちから、議会の同意を得て、市長が委嘱する。
3
オンブズマンの任期は、3年とし、再任を妨げない。
(兼職等の禁止)
第8条
オンブズマンは、衆議院議員若しくは参議院議員、地方公共団体の議会の議員若しくは長又は政党その他の政治団体の役員を兼ねることができない。
2
オンブズマンは、市と特別な利害関係を有する法人その他の団体の役員を兼ねることができない。
(解嘱)
第9条
市長は、オンブズマンが心身の故障のため職務の遂行に堪えられないと認める場合又は職務上の義務違反その他オンブズマンとしてふさわしくない行為があると認める場合は、議会の同意を得て解嘱することができる。
2
オンブズマンは、前項の規定による場合を除くほか、その意に反して解嘱されることがない。
(代表オンブズマン)
第10条
オンブズマンのうち1人を代表オンブズマンとし、オンブズマンの互選によってこれを定める。
2
代表オンブズマンは、オンブズマンに関する事務を掌理する。
3
代表オンブズマンに事故があるとき、又は欠けたときは、他のオンブズマンがその職務を代理する。
(オンブズマン会議)
第11条
次に掲げる事項を協議するため、オンブズマン会議を設ける。
(1)
オンブズマンの職務執行の一般方針に関すること。
(2)
活動状況の報告に関すること。
(3)
その他オンブズマンの協議により必要と認める事項
2
オンブズマン会議は、代表オンブズマンが招集する。
3
前2項に定めるもののほか、オンブズマン会議の運営に関し必要な事項は、代表オンブズマンがオンブズマン会議に諮って定める。
(苦情の申立て)
第12条
市の業務について利害関係を有する者は、オンブズマンに対し、苦情を申し立てることができる。
2
前項の規定による苦情の申立て(以下単に「苦情の申立て」という。)は、次の事項を記載した書面により行わなければならない。
ただし、オンブズマンが書面によることができない特別の理由があると認めるときは、この限りでない。
(1)
氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)
(2)
苦情の申立ての趣旨及び理由並びに苦情の申立ての原因となる事実のあった年月日
(3)
前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
3
苦情の申立ては、代理人により行うことができる。
(苦情の調査等)
第13条
オンブズマンは、苦情の申立てがあった場合は、速やかに当該苦情の申立てに関する調査をするものとする。
ただし、苦情の申立てが次の各号のいずれかに該当すると認める場合は、調査をすることができない。
(1)
苦情の申立てを行った者(以下「苦情申立人」という。)が、当該苦情の申立ての原因となった事実について利害を有しないとき。
(2)
苦情の申立ての原因となった事実のあった日から1年を経過しているとき。
ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
(3)
虚偽その他正当な理由がないとき。
(4)
その他調査することが適当でないとき。
2
オンブズマンは、前項各号に該当するため苦情を調査しないときは、苦情申立人に対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
(調査の通知等)
第14条
オンブズマンは、苦情等を調査する場合は、関係する市の機関に対し、その旨を通知するものとする。
2
オンブズマンは、苦情等の調査を開始した後においても、その必要がないと認めるときは、調査を中止することができる。
3
オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査を中止したときは、苦情申立人及び第1項の規定により通知した市の機関に対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
4
オンブズマンは、自己の発意に基づき取り上げた事案の調査を中止したときは、第1項の規定により通知した市の機関に対し、理由を付してその旨を速やかに通知しなければならない。
(調査の方法)
第15条
オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、説明を求め、その保有する文書その他の記録を閲覧し、若しくはその提出を要求し、又は実地調査をすることができる。
2
オンブズマンは、苦情等の調査のため必要があると認めるときは、関係人又は関係機関に対し、質問し、事情を聴取し、又は実地調査することについて協力を求めることができる。
3
オンブズマンは、専門的又は技術的な事項について、特に必要があると認めるときは、専門的機関に対し、調査、鑑定、分析等の依頼をすることができる。
(調査結果の通知)
第16条
オンブズマンは、申立てに係る苦情の調査の結果について、苦情申立人及び第14条第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
2
オンブズマンは、自己の発意に基づき取り上げた事案の調査の結果について、第14条第1項の規定により通知した市の機関に速やかに通知しなければならない。
(勧告及び意見表明)
第17条
オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、是正等の措置を講じるよう勧告をすることができる。
2
オンブズマンは、苦情等の調査の結果、必要があると認めるときは、関係する市の機関に対し、制度の改善を求めるための意見を表明することができる。
(勧告及び提言の尊重)
第18条
前条の規定による勧告又は意見表明を受けた市の機関は、これを尊重しなければならない。
(措置の状況の報告)
第19条
オンブズマンは、第17条の規定による勧告又は意見表明をしたときは、当該勧告又は意見表明を受けた市の機関に対し、その是正等の措置又は制度の改善の状況について報告を求めるものとする。
2
前項の規定により報告を求められた市の機関は、当該報告を求められた日の翌日から起算して60日以内に、オンブズマンに対し、是正等の措置又は制度の改善の措置の状況について報告するものとする。
3
オンブズマンは、申立てに係る苦情について第17条の規定により勧告し、若しくは意見を表明したとき、又は前項の規定による報告があったときは、その旨を苦情申立人に速やかに通知しなければならない。
(勧告等の公表)
第20条
オンブズマンは、第17条の規定による勧告若しくは意見表明をしたとき、又は前条第2項の規定による報告があったときは、その内容を公表するものとする。
2
オンブズマンは、前項の規定による公表をするに当たっては、個人情報等の保護について最大限の配慮をしなければならない。
(活動状況の報告等)
第21条
オンブズマンは、毎年、その活動状況について、市長及び議会に報告するとともに、これを公表する。
(専門調査員)
第22条
オンブズマンの職務の遂行を補佐するため、専門調査員を置くことができる。
2
専門調査員は、行政に関し優れた識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。
3
第4条及び第8条の規定は、専門調査員について準用する。
(委任)
第23条
この条例の施行に関し、必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、平成18年3月5日から施行する。