○美唄市地域包括ケア推進条例
(令和4年3月22日条例第9号)
生きがいと役割を持ち、住み慣れた地域で最期まで暮らすことは、私たち市民の願いです。
美唄市は、高齢者人口のピークを既に迎え、現在も総人口が減少しているなど、超高齢社会を全国の中でもいち早く迎えたまちです。
一方、炭鉱や農業のまちとして、市民がお互いに支え合うなど、心地よい人とのつながりやお互い様の関係を築いてきた歴史があります。
地域の力を生かし、支え手と受け手の関係を超えて誰もが役割をもって、地域包括ケアが推進されることで、市民が急な疾病や心身が虚弱な状態であるフレイル、家族の介護等の生活の変化があった場合にも、自分らしく地域で暮らし続けることができるよう、美唄市地域包括ケア推進条例を制定します。
(目的)
第1条
この条例は、地域包括ケアを推進し発展させるため、その基本理念及び基本施策を定めるとともに、市民及び医療・介護等関係者の役割並びに市の責務を明らかにすることによって、住み慣れた地域で最期まで自分らしい日常生活を継続することができる地域社会の実現に資することを目的とします。
(定義)
第2条
この条例で使う用語の意義は、次項に定めるもののほか、介護保険法(平成9年法律第123号)及びこれに基づく命令等において使用する用語の例とします。
2
この条例で使う用語の意義は、次のとおりとします。
(1)
地域包括ケア 地域における医療及び介護の総合的な確保の推進に関する法律(平成元年法律第64号)第2条第1項に規定するものをいい、医療・介護等関係者が有機的に結びつくネットワークを始め、医療や介護が必要になっても、住み慣れた地域で自分らしい生活ができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援等が包括的に確保される体制をいいます。
(2)
市民 市内に居住する人、市内で働く人、学ぶ人、事業を営む個人及び法人並びにその他活動する団体等をいいます。
(3)
医療・介護等関係者 医療、介護、予防、住まい及び生活支援の各分野に関わる事業者及び従事者等をいいます。
(4)
予防 要介護状態若しくは要支援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいいます。
(5)
住まい 自らの責任と選択のもと自分らしい生活ができる場所であり、持ち家、賃貸住宅のほか特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅等をいいます。
(6)
生活支援 高齢者に対する配食サービス、除雪サービス、困りごとへの相談、ごみ捨てなどの日常生活上の支援をいいます。
(7)
自助 自分らしく暮らすために健康管理、疾病及び介護予防等に自らのできる範囲で心がけ、取り組むことをいいます。
(8)
互助 家族、NPO、ボランティア及び住民組織を中心としたお互いの支え合い、地域の課題を地域の住民が力を合わせて支え合うことをいいます。
(9)
共助 医療保険や介護保険などの社会保障制度による社会を支える仕組みによって、共に支えることをいいます。
(10)
公助 税による公の負担をもって行政が行うサービス提供をいいます。
(基本理念)
第3条
地域包括ケアの推進に当たっては、介護保険法等の法令の趣旨及び美唄市福祉のまちづくり条例(平成16年条例第12号)に基づき、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければなりません。
[
美唄市福祉のまちづくり条例(平成16年条例第12号)
]
(1)
地域包括ケアの推進は、子どもから高齢者、障がい者を始め、全ての市民がお互いの人格を尊重し、支え合いながら、日常生活の自立支援を図ることを基本とするものです。
(2)
地域包括ケアは、その推進及び発展のために市民、医療・介護等関係者及び市が、自助、互助、共助及び公助に基づき、それぞれの役割を理解し協働して構築するものです。
(3)
地域包括ケアは、地域の自主性及び主体性を生かし、地域の特性に応じて様々なネットワークを活用して構築するものです。
(4)
地域の支え合いは、市民が自らの役割を意識し合い、お互いを尊重し合い、共に分かち合う地域社会の実現を目指すものです。
(市民の役割)
第4条
市民は、生きがいと役割を持ち、お互いに助け合い、尊重し合い、また、健康の維持及び疾病、介護予防に努めます。
2
市民は、市が実施する地域包括ケアの推進に関する施策に協力するよう努めます。
(医療・介護等関係者の役割)
第5条
医療・介護等関係者は、それぞれの役割を十分認識し、協働して在宅医療・介護等を一体的に提供できる体制を構築するよう努めます。
2
医療・介護等関係者は、市が実施する地域包括ケアの推進に関する施策に協力するよう努めます。
(市の責務)
第6条
市は、第3条の基本理念を尊重し、これを推進するために、地域包括ケアに関する施策を総合的かつ効果的に実施します。
[
第3条
]
2
市は、地域包括ケアに関する施策の企画、立案、実施等に当たり、市民及び医療・介護等関係者と連携し、協働してこれを推進します。
3
市は、市民及び医療・介護等関係者から地域包括ケアの推進に関する施策に関し、意見を聴くなど、広く誰もが参加できる機会を確保します。
(基本施策)
第7条
市は、次に掲げる地域包括ケアに関する施策を総合的かつ効果的に推進するものとします。
(1)
医療、介護が必要な場合に、在宅医療・介護を切れ目なく提供するための施策
(2)
認知症への理解を深め、認知症の人又はその家族を支える施策
(3)
要支援又は要介護状態になることの予防若しくは軽減又はその進行を防止するための施策
(4)
地域住民の主体性を生かした生活支援等サービスの体制を整備する施策
(5)
地域で培ってきたコミュニティの力を生かした社会的孤立を防止するための施策
(6)
前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策
(財政上の措置)
第8条
市は、地域包括ケアの推進に関する施策のために、必要な財政上の措置を講ずるよう努めます。
(地域包括ケア連携推進会議)
第9条
市は、地域包括ケアに関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、地域包括ケア連携推進会議を設置します。
(委任)
第10条
この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定めます。
附 則
この条例は、令和4年4月1日から施行します。