○美唄市男女共同参画条例
(平成21年12月18日条例第38号)
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 理念と役割(第3条-第7条)
第3章 市の施策(第8条-第13条)
第4章 その他(第14条)
附則
少子高齢化の急速な進展等に伴う地域社会の変化に対応し、住みよいまちづくりを進めるためには、社会生活や家庭生活などあらゆる活動において、男女が人権を尊重し合い、互いの個性と能力を十分に発揮し、自立した生活を営むことができる男女共同参画社会を形成することが重要な課題となっています。
美唄市は、これまで、日本国憲法が定める人権と平和の尊重を基本理念とし、さまざまな個性が響き合い、認め合いながら形づくる社会を目指し、各種の施策を展開してきましたが、性別による固定的な役割分担意識がいまだ存在し、男女の個人としての能力の発揮や活動の選択を制約しています。
美唄市は、ここに、すべての市民が男女の別なく個人として尊重され、お互いに対等な立場であらゆる分野に参画する機会が確保され、責任を分かちあう男女共同参画社会の実現を目指し、この条例を制定します。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、市、市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成に関する施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とします。
(定義)
第2条
この条例で使う用語の意義は、次のとおりとします。
(1)
男女共同参画社会の形成 男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、そのことにより男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、ともに責任を担うべき社会をつくることをいいます。
(2)
市民 市内に居住する人、市内で働く人、学ぶ人など、市内で活動するあらゆる個人をいいます。
(3)
事業者 市内で事業を営む法人、個人及び団体をいいます。
第2章 理念と役割
(基本理念)
第3条
男女共同参画社会の形成は、次に掲げる事項を基本理念として推進します。
(1)
男女の個人としての尊厳が重んじられ、性別による差別的取扱いを受けることなく、個人としての能力を発揮する機会が確保され、その他の人権が尊重されること。
(2)
男女が性別による固定的な役割分担等を前提とした社会のさまざまな制度や慣行によってその活動が制限されることなく、自立し、自らの意思で多様な生き方を選択することができ、かつ、選択された生き方を互いに尊重し、協力し合うこと。
(3)
社会のあらゆる分野で男女共同参画が推進されるよう、市、市民及び事業者が自らの意思と相互の協力により、協働して取り組み、そのための活動が支援されること。
(4)
男女が性別にかかわらず、安心して働ける職場、家庭、地域、学校など、社会のあらゆる分野の意思決定の場に、対等な構成員として平等に参画する機会が確保されること。
(5)
家族を構成する女性及び男性が相互の協力と社会の支援の下に、子育て、家族の介護等の家庭生活における活動とその他の社会生活における活動を円滑に行い、家族の一員としての役割を果たすことができること。
(6)
女性及び男性が人格を尊重し合い、互いの性への理解を深めることにより、妊娠、出産その他の健康について、自らの意思が尊重され、生涯にわたる心身の健康が維持されること。
(7)
男女共同参画社会の形成が国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、国際社会の取組への理解と協調の下に推進されること。
(市の役割)
第4条
市は、基本理念に基づき、男女共同参画社会の形成に関する施策を策定し、実施する役割を担うものとします。
2
市は、市民、事業者、国及び他の自治体と連携及び協力して男女共同参画社会の形成に取り組むものとします。
3
市は、男女共同参画社会の形成に関する施策を実施するため、必要な体制の整備及び市の職員に対する男女共同参画社会の形成に関する意識の啓発並びに財政上の措置を講じるものとします。
(市民の役割)
第5条
わたしたち市民は、基本理念に基づき、家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成を主体的に推進する役割を担います。
2
わたしたち市民は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策に協力するよう努めます。
(事業者の役割)
第6条
事業者は、基本理念に基づき、その事業活動において、男女共同参画社会の形成に努めるとともに、職場における活動と家庭生活における活動などとを両立できる職場環境を整備する役割を担うものとします。
2
事業者は、市が実施する男女共同参画社会の形成に関する施策に協力する役割を担うものとします。
(性別による権利侵害の禁止)
第7条
誰であっても、職場、家庭、地域、学校など、社会のあらゆる分野において、性別を理由とする差別的取扱いを行ってはいけません。
2
誰であっても、男女間における身体的若しくは精神的な苦痛を与える暴力又は児童虐待など、あらゆる暴力的行為を行ってはいけません。
3
誰であっても、他人を不快にさせる性的な言動をし、又はその言動によって生活環境を乱し、若しくはその言動を受けた者の対応により、その者に不利益を与える行為をしてはいけません。
4
誰であっても、一般に公表する情報の中で、性別を理由とする人権侵害を助長することのないよう配慮しなければなりません。
第3章 市の施策
(基本的施策)
第8条
市は、男女共同参画社会の形成を推進するため、次に掲げる基本的施策を行うものとします。
(1)
政策の決定過程における男女共同参画を推進するため、女性職員の積極的な職域拡大及び管理職等への登用を総合的かつ計画的に推進することとし、そのために必要な研修等の実施に努めること、職員が職場における活動と家庭生活における活動との両立を支援する制度を性別にかかわらず活用できる環境づくりに努めること及び附属機関等の委員の委嘱等に当たり、女性委員の拡大に努めること。
(2)
学校教育、家庭教育など、あらゆる分野の教育において、男女共同参画社会の形成を推進するための措置を講じるよう努めること。
(3)
雇用の分野における男女共同参画を推進するため、事業者に対し、必要な情報の提供などの支援を行うよう努めるとともに、男女共同参画の状況について報告を求め、適切な措置を講じるよう協力を求めること。
(4)
自営の商工業又は農林業に従事する男女が、対等な構成員として経営等に参画する機会を確保するため、研修、情報の提供などの活動に必要な支援を行うよう努めること。
(5)
女性及び男性が性別による固定的な役割分担にとらわれることなく、子育て、家族の介護等の家庭生活における活動とその他の社会生活における活動を相互の協力と社会の支援の下に円滑に行うことができるように、必要な支援を行うよう努めること。
(6)
女性及び男性が対等な関係の下に互いの性についての理解を深め、生涯にわたる心身の健康が維持され、妊娠、出産など、健康について自らの意思が尊重されるよう、性に関する教育、相談などの必要な措置又は支援を行うよう努めること。
(7)
男女共同参画社会の形成を推進する活動を行う民間の団体との連携を図り、その活動に必要な情報の提供などの支援を行うよう努めること。
(男女共同参画計画)
第9条
市長は、男女共同参画社会の形成に関する施策並びに市民及び事業者の取組を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定するものとします。
2
市長は、男女共同参画計画を策定するに当たっては、市民及び事業者の意見を反映させるものとします。
3
市長は、男女共同参画計画を策定したときは、これを公表するものとします。
4
前2項の規定は、男女共同参画計画を変更する場合について準用します。
(施策の策定等に当たっての配慮)
第10条
市は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮するものとします。
(年次報告)
第11条
市長は、毎年度、男女共同参画の推進状況及び施策の実施状況について報告書を作成し、公表するものとします。
(調査研究)
第12条
市は、男女共同参画社会の形成に関する施策を効果的に推進するため、男女共同参画に関する調査研究及び情報の収集を行うものとします。
(広報活動等)
第13条
市は、男女共同参画社会の形成についての市民及び事業者の理解を深めるために積極的な広報活動に努めるものとします。
2
市は、刊行物等を作成するに当たっては、基本理念の趣旨を踏まえ、作成するものとします。
第4章 その他
(委任)
第14条
この条例に定めるもののほかこの条例の施行に関し必要な事項は、規則で定めます。
附 則
1
この条例は、平成22年4月1日から施行します。
2
この条例の施行の際、現に策定されている男女共同参画社会の形成に関する市の基本的な計画であって、男女共同参画社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るためのものは、第9条第1項の規定により策定された男女共同参画計画とみなします。